シールド工事としては世界最長クラスとなる英仏海峡海底鉄道延伸工事向けシールド掘進機を受注

2001年09月17日

川崎重工は、Union Railway社が施工する英仏海峡海底鉄道の延伸工事に用いるシールド掘進機2基を、西松建設-Cementation Skanska(スカンスカ社) J.V.より受注しました。2基のシールド掘進機の納入は2002年4月の予定です。

今回当社が受注した2基のシールド掘進機は、英仏海峡海底鉄道トンネル(以下、ユーロトンネル)の英国側出発点であるフォークストンとロンドン市内を直結する新線建設工事(総延長約109km)のうち、セント・パンクラス駅-ストラットフォード駅間7.5kmの工区に用いられます。掘進距離7.5kmはシールド掘進機によるトンネル工事としては、世界最長クラスになります。

英仏海峡海底鉄道延伸工事(チャンネルトンネル・レールリンク工事)は、フォークストンからエッブスフリートまでの地上路線建設を第1期工事、エッブスフリートからロンドン市内のセント・パンクラス駅までのトンネルを含む新線建設工事を第2期工事とし、2007年の完工を予定しています。完工後はロンドン-パリ間の鉄道での移動時間が現在より35分短縮され2時間20分となり、ユーロトンネルの利便性がさらに高められます。

当社は、1986年5月に工事着工、1994年に開業した英国フォークストンと仏国カレー間、約52kmを結ぶユーロトンネル建設工事においても、トンネル掘削機(TBM)2基を受注しており、このTBMがトンネル掘削工事の月進速度で世界最高となる1,178m/月を記録するなど、当社の優れた技術力および高い製品信頼性を実証しました。

また、当社は1994年にはロンドン地下鉄工事向けのシールド掘進機を受注するなど、欧州向けTBM・シールド掘進機の実績を持つとともに、国内外で1,300基以上のTBM・シールド掘進機の豊富な納入実績を持ちます。

今回のシールド掘進機の受注は、これらの実績が高く評価されたものです。当社は、今回の受注を機に今後とも国内外を問わずTBM・シールド掘進機の営業展開を強力に推進します。

なお、今回の契約概要は、以下のとおりです。

1. 施 主 : Union Railway
2. 発 注 者 : Nishimatsu-Cementation Skanska Joint Venture
3. 機 種 : 掘削径8.11m Dual Mode Type シールド
4. 基 数 : 2基
5. 契約範囲 : 機器設計・製作・輸送・据付・試運転調整および予備品供給
テクニカル・アシスタント契約