名古屋市交通局高速度鉄道第4号線八事北工区用複心円土圧式シールド掘進機を完成

2001年08月28日

川崎重工は、名古屋市交通局が建設を進めている高速度鉄道第4号線(地下鉄4号線)建設の八事北工区土木工事向け、6.52m複心円土圧式シールド掘進機(前田・西松・鴻池特別共同企業体より受注)を当社播磨工場で完成させました。

今回完成した複心円土圧式シールド掘進機は、左右各1基ずつ計2基のカッターディスクを装備し、同一平面内をお互いが干渉しないように同期制御を行ないながら掘進するもので、単円式シールド掘進機に比べ不要断面を少なくできるとともに2本のトンネルを同時に掘削でき、安全性・信頼性が高く工期が短いという特長があります。なお、このシールド掘進機は今後工場にて分割して、現地に搬送し再組立・試運転を行なった後、2002年1月より掘削開始の予定です。

地下鉄4号線は、名古屋市北部の大曽根駅から同市東部の本山、八事、新瑞橋を経由して金山駅にいたる路線です。現在建設を進めている地下鉄4号線は営業中の名城線と一体となり地下鉄環状線を形成し、市中心部より放射状に延びる既設の各路線と随所で接続することにより、従来以上に効率的で質の高い鉄道ネットワークが完成し、利用者の利便性がさらに向上されます。

当社は名古屋市交通局向けでは、1981年に地下鉄3号線秩父通工区向けに直径7.45mの泥圧式シールド掘進機2基を納入して以来、これまでに9基の納入実績を持ちます。また、当社は直径10mクラス以上の大口径シールド掘進機分野において、30%以上のトップシェアを有しており、英仏海峡トンネル工事用トンネル掘削機や東京湾アクアライン向けなど、多くの受注・製造実績を持ちます。

今後も当社は、トンネル掘削機の分野において、工事の経済性や安全性など社会・市場ニーズに加え環境に配慮した製品の開発・販売に努め、積極的な事業展開を進めていきます。


□工事の概要
(1)工 事 区 間:昭和山手通3丁目~山手通5丁目(延長782.5m)
(2)工 法:土圧式(気泡)シールド工法
(3) 使 用 機 材:複心円土圧式(気泡)シールド掘進機1機
(4)覆工セグメント数:692リング