独自開発の自動追尾機能を採用した小型船舶用カメラ安定装置を開発

2001年06月13日

川崎重工は、港湾警備等に用いる小型船舶に搭載する小型カメラ安定装置を開発しました。

今回当社が開発した小型カメラ安定装置は、主に港湾警備などにあたる小型船舶向けに開発したもので、精度の高い空間安定性と自動追尾機能により、簡単な操作で移動し続ける遠距離の被写体を、ブレのない画像で継続撮影することが可能です。これにより撮影対象の状況把握が容易となり、不審船の監視や港湾警備に大きく貢献することができます。

本装置は、すでに当社が販売している船舶用の大型、中型カメラ安定装置と同じ機能や性能を持ちながら、従来の中型装置(球形ハウジングΦ710、重量125Kg)よりも更に小型化(球形ハウジングΦ450)、軽量化(重量50Kg)に成功しました。これにより、取付けスペースの限定される港内艇等の小型船舶への搭載も可能になりました。

当社のカメラ安定装置は、機電製品の開発で培ってきたシステム技術、機構技術、電子制御およびセンサ応用技術を活用したもので、内側3軸、外側2軸の計5軸を電気サーボで制御する二重(球形ハウジング)の特殊機構を採用しています。本装置は、船体から発生する揺れや振動、風圧などの外力の大半を外側機構で吸収することにより、内側機構(カメラ搭載部)で高精度の空間安定性を確保できるため、他社製品と比べ画像ブレを約1/100に抑える高性能カメラ安定装置です。

また、監視カメラ安定装置の高度な空間安定性に、自動追尾機能を追加することで、運用性の向上を図っています。自動追尾機能は、赤外線カメラの映像からオペレータが選択した目標を画像処理装置で抽出し、目標やカメラが移動しても目標を見失うことなく、常に自動的に画像の指定位置に捉え続ける機能で、当社が独自に開発したものです。

なお本装置は小型船舶を対象に開発いたしましたが、陸上、航空用途への適用拡大も可能です。

今後も当社は機電製品の開発で培った各種技術をもとに、新精機分野への積極的な事業展開を図っていきます。