新開発の川崎式BK117C-2型ヘリコプターが型式証明を取得

2001年03月30日

川崎重工が新たに開発中であった川崎式BK117C-2型ヘリコプター(以下C-2型)は、国土交通省航空局から型式証明を3月30日に取得しました。C-2型はすでに大手の運航会社などから15機を先行受注しており、本年の秋以降順次引き渡す予定です。

今回、川崎重工が開発したC-2型は、従来のC-1型の特長である多用途性に優れた後部のクラムシェル・ドア、100万飛行時間を超える運用実績で定評のあるローター駆動系統、操縦応答性に優れた無関節型ローター・システムなどを継承しつつ、運航性能や快適性をさらに向上させています。C-2型では、キャビンスペースを約30%拡大するとともに全備重量を200kg増加させて3,550kgとし、これまでよりさらに多様な運用を可能としています。また全備重量の増大に合わせて燃料タンク容量を170リットル 増量することにより航続距離を150km延長した700kmとしながら、新型メインローター・ブレードの採用により従来型と同等の速度性能を維持し、騒音・振動をより低減しています。さらに新型操縦室による広い視界と、液晶画面の多機能統合計器システムにより計器の配列をシンプルにするなど快適な操縦を実現しています。

BK117ヘリコプターは、1983年の初号機納入以来改良を重ね、優れた技術力と高い信頼性により国内で約130機、全世界で400機以上が活躍するベストセラー機です。また川崎重工では、ヘリコプターの安全運行にかかわる装備の研究開発として、操縦系統のFBW(フライ・バイ・ワイヤー)化をはじめ、GPS(グローバル・ポジショニング・システム)を利用した各種航法支援装置を実用化するなど、安全運行のための装備品の研究開発に取り組んでいます。

今回の型式証明の取得を契機に、今後とも川崎重工は、救急医療、消防・防災、警察、報道、人員輸送、物資輸送などヘリコプターの各種用途に合せた装備品を開発するとともに、本機の販売を図っていく予定です。