鉄道車両用の台車洗浄装置を販売開始

2001年02月26日

川崎重工は、鉄道車両用台車の洗浄装置を開発し、本年4月から本格的に販売を開始します。

本装置は、鉄道車両用台車の定期点検時に、油や汚れが頑固に付着した台車を全自動で洗浄するものです。鉄道車両用台車の洗浄は、台車の形状が複雑であることに加え、付着した汚れは温水のみでは簡単に除去できないため、従来は高温水や洗剤をかけながら手作業でこすり洗いを行うなど大変手間のかかる作業でした。

今回開発した台車洗浄装置は、ターンテーブル上にセットされた台車の洗浄室内への搬入、台車を回転させながら行う前洗浄、洗剤の噴霧、洗剤おとし、すすぎなどの各工程、そして搬出するまでの一貫した洗浄工程を全自動化しています。

この洗浄装置は、当社が新たに開発した強力な洗浄効果と環境への配慮を両立した台車洗浄専用洗剤「カワサキクリーン-1」を使用するとともに、高速旋回するジェット洗浄水流を噴射する特殊機構ノズルの採用により、優れた洗浄効果が得られます。また、専用洗剤と高圧高温水による相乗効果で、洗剤使用量と排水量を削減することが可能になるとともに、ゴミや不純物を取り除くフィルターなどのろ過装置を多くの工程に導入することで、使用後の洗浄液を再利用できる環境に配慮したシステムです。

本装置の特長は、以下のとおりです。

(1) ワーク搬入から搬出までの全自動化・・・作業者負担の大幅軽減と安全確保
(2) 台車専用洗剤と高圧・高速旋回ノズルの使用・・・強力な洗浄効果と排水量の削減を実現
(3) ペーパーフィルター、浮上油回収装置、オイルスキマーなどの強力な液浄化機構の装備・・・洗浄液の循環再利用
(4) タクトタイムは60分以下・・・生産性の向上

当社は、これまで油圧機器の部品洗浄工程で発生する各種洗浄作業の自動化ノウハウをもとに機械加工部品の洗浄を行うNCジェット洗浄機や鉄道車両用軸受洗浄装置などを開発・製品化してきました。今回の鉄道車両用台車洗浄装置は、それらの技術を結集して開発したものです。当社は今後も自社開発の新しい洗浄装置の開発、販売に注力していきます。