アンモニア燃料推進LPG/アンモニア運搬船の基本設計承認を取得
2025年09月08日
アンモニア燃料推進LPG/アンモニア運搬船のイメージ
川崎重工は、アンモニア燃料主機及びアンモニア燃料供給装置のサプライヤーである株式会社三井E&Sと共同で、液化アンモニアを舶用燃料として使用可能なLPG/アンモニア運搬船の基本設計承認(AiP : Approval in Principle)を一般財団法人日本海事協会(ClassNK)より取得しました。※1
アンモニア燃料は国際海事機関(IMO)による船舶からの各種排出ガス規制強化が進む中、燃焼時にCO2を排出しないクリーンな燃料※2であり、水素同様、次世代燃料として注目されています。アンモニア燃料供給設備に関しては、有識者を集めたリスクアセスメント(HAZID)による安全性の評価や必要な対策を施しています。これらに基づき、本船の設計に対する安全性がClassNKの基準に適合していると認められたことからAiPを取得しました。
当社は、2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、LPG燃料推進LPG/アンモニア運搬船をはじめ、LNG燃料推進船や、次世代エネルギーとして注目されている水素・アンモニア関連製品など、世界的に強化される環境規制に準拠する地球環境にやさしい船舶技術を開発・提供し、低炭素・脱炭素社会の実現に貢献していきます。
アンモニア燃料推進LPG/アンモニア運搬船の主な特長は以下のとおりです。
(1) | 貨物として搭載する液化アンモニアの一部を燃料として使用するため専用の燃料タンクの設置が不要。 | ||
(2) | 燃料供給装置のメンテナンス等でアンモニアガスを大気放出する場合は、本船に設けたアンモニア除害装置によりアンモニアガスを無害化して放出することが可能。 | ||
(3) | 船体の構造強度を高めることで、LPGよりも比重の大きいアンモニアを貨物タンクに満載して輸送することが可能。 |
AiP証書
※1 | : | 代替燃料に関する安全要件を定めたClassNK策定の代替燃料船ガイドラインの一般要件(C-2部)に加え、追加の安全対策(C-3部)に適合しています。 |
※2 | : | 燃料から得られるエネルギー当りのCO2排出量は、重油を1とした場合、LPGでは約0.85になります。一方、アンモニア燃料は水素同様、燃焼時にCO2を排出しないため、エネルギー当りのCO2排出量は0となります。 |