画期的な省エネを実現した自走式破砕機「SEASER™」販売開始(アーステクニカ)
2024年06月03日
川崎重工グループのアーステクニカは、画期的な省エネ性能を実現したNCD(Non-Conversion Drive)方式の自走式破砕機「SEASERTM (Saving Energy / Advanced Safety / Environmental Recycling)(シ―サー)」(以下、本機)の販売を2024年5月31日より開始しました。
本機は、建設工事を行なう際に副次的に発生するコンクリート塊やアスファルト塊を、再生骨材や再生合材としてリサイクルするための自走式破砕機で、人頭大の建設廃棄物を40mm以下に破砕することが可能です。
これまでの自走式破砕機は、油圧駆動や電動機駆動が主流でしたが、本機ではエンジンの回転出力を直接破砕機に伝達する省エネ駆動「NCD方式」を採用しました。自走式破砕機で使用する動力の中で最も大きな割合を占めるジョークラッシャ※1の運転において、電気や油圧にエネルギーを変換せず直接運転することで、余計なエネルギー変換によるロスをなくし、当社比10%以上のエネルギー効率向上を実現しました。また、新たに開発したSSSクラッチ※2内蔵の新しいギアボックスを採用しており、ジョークラッシャをスムーズに稼働することが可能です。
本機に搭載したジョークラッシャは、2022年度に発売した鉄鋼スラグ処理専用の破砕機「AUDIS JAW™(オーディス ジョー)」の機構を踏襲しており、出口セット油圧調整機構搭載による高いメンテナンス性と破砕困難物を自動排出する高い堅牢性が特長です。さらに破砕室形状の変更により当社比 約20%の処理能力向上を実現しています。
当社は、今後も積極的に破砕やリサイクル技術の開発に努め、優れた製品の提供を通じて、資源循環型社会に貢献していきます。
※1 | : | ジョークラッシャ 破砕対象物を2枚のプレートで圧縮することで破砕する破砕機 |
※2 | : | SSSクラッチ ジョークラッシャの駆動媒体であるVプーリーとエンジンを直結、回転させるためのクラッチ |
【「SEASERTM」の詳細】
【主な特長】
(1) | NCD(Non-Conversion Drive)方式 電動機や油圧モーターを使用せずに、エンジンの回転出力を直接伝達する駆動方式で、エンジン出力を油圧や電気に変換しないため、変換ロスが発生することなく高効率な運転が可能。 |
(2) | 処理能力の向上 ジョークラッシャの破砕室の形状を「V形」にすることで、原料のスムーズな破砕と排出を実現し、従来の「レ形」破砕室形状のジョークラッシャ搭載機に比べ、約20%の能力UPを実現。 |
(3) | 鉄筋等の破砕困難物の自動排出が可能 破砕機の稼働停止の原因となる鉄筋等の破砕困難物を検知し、自動排出して破砕を再開する機能を有しており、万が一、鉄筋が混入しても連続運転が可能。 |
【仕 様】
型式 | RXM136AC | |
振動フィーダ | 寸法 | 900 × 3,000mm |
駆動方法 | 油圧モーター | |
ジョークラッシャ | 供給口寸法 | 920 × 540mm |
駆動方法 | エンジン直結 | |
セット調整範囲(OSS) | 40~120mm | |
製品コンベヤ |
ベルト幅 |
900mm |
排出高さ | 2,800mm | |
走行用クローラ | 幅 | 400mm |
接地長さ | 3,260mm | |
寸法 | 全長 | 12,500mm |
全幅 | 2,900mm | |
全高 | 3,500mm |
【SEASERTM(シーサー)ロゴ】
■ご参考:株式会社アーステクニカ概要
(1) | 本社所在地 | : | 東京都千代田区神田神保町二丁目4番地 |
(2) | 代表者 | : | 代表取締役社長 西 昌彦 |
(3) | 設立年月日 | : | 2003年4月1日 |
(4) | 資本金 | : | 1,200百万円(川崎重工100%出資) |
(5) | 事業内容 | : | 破砕機、粉砕機器、環境リサイクル機器設備、微粉砕機器、耐磨耗・耐熱等鋳造製品の設計、製造および販売 |
(6) | 従業員数 | : | 334人(2024年5月1日現在) |