世界初、あらゆるサステナブルファイナンス調達に対応するフレームワーク体制を構築
2023年11月30日
川崎重工は、6種類のサステナブルファイナンス(グリーン、トランジション、トランジション・リンク、ブルー、ソーシャル、サステナビリティ・リンク)での調達を網羅するフレームワーク(以下、マスターフレームワーク)を策定しました。当社がこれまでに策定したポジティブ・インパクト・ファイナンス(PIF)フレームワークと合わせ、あらゆるサステナブルファイナンス調達に対応する仕組みを構築した世界初の取組みとなります。
当社は、同一のフレームワークを用いて複数の金融機関からの資金調達を可能とするフレームワーク型PIF、サステナビリティ・リンク・ローン(SLL)の構築など、わが国において先進的な取り組みを進めてきました。マスターフレームワークではPIFを除く全てを統一化し、さらに調達実績のなかったトランジションおよびトランジション・リンク、ブルーまでを含めることで、あらゆるサステナブルファイナンスに対応できる体制を構築しました。なお、マスターフレームワークの策定にあたっては、ストラクチャリング・エージェントとしてみずほ証券株式会社より支援を受け、また、透明性および客観性を確保するため、株式会社日本格付研究所より第三者意見書を取得しています。
■マスターフレームワークがカバーするサステナブルファイナンスと準拠している原則
種類 | 準拠原則等 | 発行・調達実績 |
グリーン | グリーンボンド原則2021、グリーンローン原則2023グリーンボンドガイドライン2022年版、グリーンローンガイドライン2022年版 | あり |
トランジション*1、 トランジション・リンク |
クライメート・トランジション・ファイナンス・ハンドブック2023、クライメート・トランジション・ファイナンスに関する基本指針および資金使途特定型の場合はグリーンの原則等、資金使途不特定型の場合はサステナビリティ・リンクの原則等 | なし |
ブルー | A Practitioner's Guide for Bonds to Finance the Sustainable Blue Economy、 Guidelines for Blue Finance、グリーンボンド原則2021、グリーンローン原則2023、グリーンボンドガイドライン2022年版、グリーンローンガイドライン2022年版 | なし |
ソーシャル | ソーシャルボンド原則2023、ソーシャルローン原則2023、ソーシャルボンドガイドライン2021年版 | あり |
サステナビリティ・リンク | サステナビリティ・リンク・ボンド原則2023、サステナビリティ・リンク・ローン原則2023、サステナビリティ・リンク・ボンドガイドライン2022年版、サステナビリティ・リンク・ローンガイドライン2022年版 | あり |
※プロジェクト分類やSustainability Performance Targets等の詳細はフレームワークをご参照ください。
※サステナビリティファイナンス(グリーン/ソーシャル)の際はサステナビリティボンドガイドラインにも準拠。
■マスターフレームワーク本文には含まれないが当社が提供可能な個別フレームワーク
ポジティブ・インパクト | ポジティブ・インパクト・ファイナンス原則(UNEP FI) | あり |
※設定する目標と指標(KPI)等の詳細は以下をご参照ください。
https://www.khi.co.jp/ir/finance/pdf/pif_02.pdf
マスターフレームワークは、当社のサステナブルファイナンスの促進および目標*2達成に資するだけでなく、自社のポリシーと統一的で整合的なフレームワークを資金調達者自身が有する先例として示すことで、他の資金調達者が少ない負担で目的に応じたサステナブルファイナンスを活用する取り組みを促進します。また、資金提供者にとっても、企業の取り組みやそのマテリアリティについて客観的に透明性をもって把握できるため、サステナブルファイナンス投融資の促進に資するものと期待されます。
当社は、グループビジョン2030「つぎの社会へ、信頼のこたえを~Trustworthy Solutions for the Future~」のもと、社会に革新的なソリューションをタイムリーに提供し、さまざまな枠を超えてスピーディに行動・挑戦することで、成長し続けていこうとしています。サステナブルファイナンスの促進により資金面からこれを支えるとともに、サステナブルファイナンス先進企業としてわが国のみならず世界中でその利用拡大に貢献してまいります。
*1 経済産業省による2023年度トランジション・ファイナンス補助金事業(第一回)として採択
*2 社債を含む長期借入金(連結)のうちサステナブルファイナンスによる調達割合を2030年までに50%、2050年までに100%とする目標
【参考リンク】
当社のマスターフレームワークについて
https://www.khi.co.jp/pressrelease/news_231130-1.pdf
株式会社日本格付研究所のウェブサイト
https://www.jcr.co.jp/greenfinance/
トランジション・ファイナンス補助金事業について
https://www.meti.go.jp/policy/energy_environment/global_warming/transition_finance.html
グループビジョン2030について
https://www.khi.co.jp/groupvision2030/
当社のサステナブルファイナンスについて