製剤の連続生産システム「LaVortex(ラボルテックス)」を発売(アーステクニカ)
2021年10月01日
左:連続乾燥機LaVortexD(CFD005型) |
左:連続造粒機LaVortexG(CMG025型) |
川崎重工グループのアーステクニカは、製剤の製造工程(湿式造粒・乾燥)を完全連続方式で処理し、生産するシステム「LaVortex(ラボルテックス)」を本日2021年10月1日より発売します。
国内製薬業界では品質管理が容易なバッチ式生産が主流でしたが、操作が煩雑でオペレーションに人手がかかるなどの課題がありました。近年のプロセス分析技術(PAT)の向上により、連続生産における高度な品質管理が可能となり、生産の安定化や省人化などの理由から、連続式生産設備の導入が推進されています。
本製品は、従来のバッチ方式の設備と比較し、部品点数の削減と重量低減により分解・洗浄性が向上したことに加え、独自の造粒、乾燥技術の開発により打錠特性に優れた粒径、密度の造粒品が容易に生産できます。バッチ方式では製剤の研究開発、生産などの利用目的や処理量毎に装置を保有する必要がありましたが、本製品は省スペースかつ処理量(5~25kg/h)と処理物の切替えを柔軟に対応できるため、開発から生産までを一括して行うことで、生産の早期立上げや設備投資削減に寄与します。
さらに、連続方式で問題となる装置起動から安定操業までの時間短縮によって、原料ロスの抑制を図るとともに、オプション付帯のプロセス分析技術(PAT)によるリアルタイムモニタリングで、より高品質かつ安定的な製品製造を実現します。
当社はこれからも、優れた粉体製造技術の提供を通じて、製薬業界・社会生活に貢献していきます。
連続造粒機「LaVortexG」と連続乾燥機「LaVortexD」の各々の主な特長は次の通りです。
(1)連続造粒機「LaVortexG」
累計1,700台以上の豊富な実績を有す高速攪拌造粒機/ハイスピードミキサーのノウハウを活かし、軽量コンパクトをコンセプトに連続方式専用の容器回転撹拌式造粒機として開発しました。
①特 長
・ | 軽量コンパクトな設備(接粉部は、重量5kg以下の4点の部品へ分解・洗浄が可能) | |
・ | 1mm以上の粗大造粒物の発生を約1%にまで抑制 | |
・ | 造粒室内のチョッパーおよび容器回転数を変えることで装置内滞留時間、圧縮、せん断力などを調整し、打錠特性に優れた造粒品が生産可能 |
②仕 様
|
※処理能力は、供給物の性状、粒度や運転条件により変動します。
(2)連続乾燥機「LaVortexD」
当社の乾燥技術ノウハウを活かし開発した独自の乾燥室構造「ダブルスワール機構(2層式渦巻状乾燥室)」と、熱風輸送を利用した連続気流乾燥により完全連続的且つ瞬時に湿粉乾燥します。
①特 長
・ | 放熱ロスを抑える独自の乾燥室構造「ダブルスワール機構(2層式渦巻状乾燥室)」を採用、断面積と長さが同じ丸ダクトと比較し、放熱ロスを約50%まで低減。 | |
・ | 乾燥室は開閉式構造、分解・洗浄が可能な部品は3点(※最大重量部品は9kg以下)であり、メンテナンスと処理品種切替が容易に可能 | |
・ | 乾燥時の装置内への付着原料は処理原料の0.1%以下(処理原料25kgの場合10g以下) ※CFD025型の場合、CFD005型の場合は最大重量部品3kg以下 |
②仕 様
|
※処理能力は、供給物の性状、粒度や運転条件により変動します。
ご参考:株式会社アーステクニカの概要
(1) | 本社所在地 | : | 東京都千代田区神田神保町二丁目4番地 |
(2) | 代表者 | : | 代表取締役社長 西 昌彦 |
(3) | 設立年月日 | : | 2003年4月1日 |
(4) | 資本金 | : | 1,200百万円(川崎重工100%出資) |
(5) | 事業内容 | : | 破砕機、粉砕機器、環境リサイクル機器設備、微粉砕機器、耐磨耗・耐熱等鋳造製品の設計、製造および販売 |
(6) | 従業員数 | : | 325人(2021年9月1日現在) |
■お知らせ
「LaVortexG(CMG025型)」と「LaVortexD(CFD025型)」を、「国際粉体工業展大阪2021」(10月13日~15日、インテックス大阪)に出品します。