ダイムラー社向け「高圧水素減圧弁」を開発

~新型燃料電池車 メルセデス・ベンツ"GLC F-CELL"に採用~

2018年04月23日

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<高圧水素減圧弁>

川崎重工は、ドイツの大手自動車メーカーであるダイムラー社向けに「高圧水素減圧弁」を開発し、新型燃料電池車のメルセデス・ベンツ"GLC F-CELL"に採用されました。

この「高圧水素減圧弁」は、ダイムラー社の子会社であるニューセルシス社と共同開発したもので、燃料電池車に搭載している水素タンクから供給されてくる約700気圧という非常に高圧な水素ガスを、燃料電池スタック※1で使用可能な圧力近傍まで減圧する重要な役割を果たします。
当社が長年に亘る油圧機器の開発・製造から培ってきた流体制御技術と、ニューセルシス社の燃料電池システムに関する高い知見を活かし、高精度なガスコントロール技術による効率的な減圧と発電時の水素ガス圧力の安定性をもたらすことで、省スペース化かつエネルギーの利用効率改善による燃料電池車の航続距離の伸長に寄与しつつ、20年相当の耐久性試験をクリアする高信頼性を有しています。

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<システムの概要>

当社は、水素関連事業を成長分野の一つとして位置付けており、今回、ダイムラー社に当社の製品が採用されたことは大きな一歩となります。
今後とも、ダイムラー社に「高圧水素減圧弁」の安定供給を果たすとともに、高い技術力を活かして水素利用の拡大に向けた製品開発に取り組むことで、低炭素社会の実現に貢献していきます。

※1 水素と酸素の化学反応を利用して発電する装置のこと。

【メルセデス・ベンツ"GLC F-CELL"の概要】

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(提供:ダイムラー社)
航続距離:約500km(NEDC値)
燃料充填時間:3分

【ダイムラー社】

高級乗用車の有力サプライヤーかつ世界最大の商用車メーカーとして、世界のほぼ全ての国や地域において強力なブランド、コンパクトカーから大型トラックにいたる自動車製品およびサービスを提供している企業。

(正式な社名)

Daimler AG

(本社所在地)

ドイツ シュトゥットガルト

(URL)

https://www.daimler.com/en/

【ニューセルシス社】

ダイムラー社の子会社であり、自動車向け燃料電池および水素タンクシステムの開発における世界的なリーディング企業。

(正式な社名)

NuCellSys GmbH

(本社所在地)

ドイツ キルヒハイム・ウンター・テック