H-ⅡAロケット用フェアリングを出荷

2014年09月26日

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川崎重工は、H-ⅡAロケット用衛星フェアリング※1を当社岐阜工場(岐阜県各務原市)での設計・部品製造を経て、播磨工場(兵庫県播磨町)にて組み立て後、種子島宇宙センターに向けて出荷しました。 

 本衛星フェアリングは、直径4メートルのシングル・タイプ(4S型)で、種子島宇宙センターで打ち上げを行う三菱重工業(株)に納入され、同社のH-ⅡAロケットに組み込まれます。なお、同ロケットにはJAXAの小惑星探査機「はやぶさ2」※2が搭載される予定で、2014年度内の打ち上げに向けて準備作業が進められます。

当社は、1993年に納入したH-Ⅱロケット向けの衛星フェアリングを皮切りに、各種衛星フェアリングの開発・製造に携ってきました。H-Ⅱロケット向け7機に加え、H-ⅡAロケットでは、4メートル・シングル・タイプ(4S型)、4メートル・デュアル・タイプ(4/4D型)、5メートル・シングル・タイプ(5S型)の各種衛星フェアリングを開発し、計25機分を製造・納入するなど、豊富な実績を持っています。

また、当社は、宇宙ステーション補給機(HTV:H-Ⅱ Transfer Vehicle)を打ち上げるためのH-ⅡBロケット向けに4機、さらには2013年にJAXAが打ち上げた固体燃料ロケット・イプシロンロケット向けにも納入するなど、現在は国内で唯一の衛星フェアリングの製造企業として各種衛星需要に対応しています。

今後も、当社は、これらの実績と優れた技術力を活かし、我が国の衛星打ち上げビジネスに積極的に貢献していきます。

 

□H-ⅡAロケット用衛星フェアリングの概要

 
4メートル・シングル・タイプ(4S型)
全長
12メートル
直径
約4.1メートル
搭載できる衛星
長さ約10.2メートル、直径3.7メートルまでの衛星

 

※1:

衛星フェアリングは、衛星を格納する部分で、ロケット先端部に取り付けられ、打ち上げ時の空力加熱、音響(振動)などの過酷な環境から衛星を保護するためのものです。大気圏外に達した後、左右に2分割して衛星を分離します。

※2:

「はやぶさ2」は、世界をリードする日本独自の宇宙探査技術を成熟発展させ、さらにその表面物質に水・有機物が存在すると考えられる小惑星の科学観測・物質サンプルリターンにより、太陽系や生命の起源と進化に迫ります。