H-ⅡAロケット用フェアリングを出荷

2014年07月14日

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川崎重工は、H-ⅡAロケット用衛星フェアリング※1を当社岐阜工場(岐阜県各務原市)での設計・部品製造を経て、播磨工場(兵庫県播磨町)にて組み立て後、種子島宇宙センターに向けて出荷しました。本衛星フェアリングは、種子島宇宙センターで打ち上げを執行する三菱重工業(株)に納入され、同社のH-ⅡAロケットに組み込まれます。なお、同ロケットは平成26年度内の打ち上げに向けて準備作業が進められます。

今回出荷した衛星フェアリングは、直径4メートルのシングル・タイプ(4S型)で、この中に衛星が1機組み込まれます。搭載される衛星は、現在運用中の静止気象衛星「ひまわり7号」の後継である「ひまわり8号※2」となる予定です。

当社は、1993年にH-Ⅱロケット向けに衛星フェアリングを納入したのを皮切りに、H-Ⅱロケット向けは計7機分を納入しています。H-ⅡAロケットにおいても、4メートル・シングル・タイプ(4S型)、4メートル・デュアル・タイプ(4/4D型)、5メートル・シングル・タイプ(5S型)の各種衛星フェアリングを 開発・製造し、計24機分を納入してきました。さらに、当社は宇宙ステーション補給機(HTV:H‐ⅡTransfer Vehicle)を打ち上げるためのH‐ⅡBロケット用フェアリングを開発し、これまで4機を納入しているほか、2013年にJAXAが打ち上げた固体燃料ロケット・イプシロンロケットのフェアリングを開発・納入するなど、豊富な実績を持っています。

当社が開発・製造してきた各種H-ⅡAロケット用衛星フェアリングは、大型衛星や2基の衛星の同時打ち上げなど多様な打ち上げ需要に対応できます。当社は、今後も衛星フェアリングの開発・製造を通して、我が国の衛星打ち上げビジネスに積極的に貢献していきます。

 

□H-ⅡAロケット用衛星フェアリングの概要

 
4メートル・シングル・タイプ(4S型)
全長
12メートル
直径
約4.1メートル
搭載できる衛星
長さ約10.2メートル、直径3.7メートルまでの衛星

 

※1:

衛星フェアリングは、衛星を格納する部分で、ロケット先端部に取り付けられ、打ち上げ時の空力加熱、音響(振動)などの過酷な環境から衛星を保護するためのものです。大気圏外に達した後、左右に2分割して衛星を分離します。

※2:

ひまわり8号は、可視赤外放射計(AHI:Advanced Himawari Imager)を搭載した静止気象衛星で、米国や欧州などの他の新世代の静止気象衛星に先駆けて運用が開始される予定です。