シンガポールLTA新線向け地下鉄電車364両を受注

2014年05月29日

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川崎重工は、Kawasaki Heavy Industries (Singapore) Pte. Ltd.(以下「KHI-SIN」)および中国の南車青島四方機車車両股份有限公司(以下「南車四方」)と共同で、シンガポールのLand Transport Authority(以下「LTA」、陸運庁)からトムソン線および東地区線向け地下鉄電車364両(91編成)を受注しました。

本契約の受注金額は約600億円で、当社がプロジェクト全体の統括、設計、台車や主要機器の供給を行い、南車四方が完成車両の製作、工場試験および信号・通信等とのシステム検証試験、KHI-SINが車両基地への搬入や納入整備、現地試験を担当し、2018年から2021年にかけてシンガポールへ納入する予定です。

シンガポールでは、2030年までに軌道系都市交通システムを現行の2倍(178km→360km)に延伸する計画が策定され、新規路線の建設、既存線の延伸および新型車両の導入による利便性の向上とピーク時の混雑緩和が進められています。

トムソン線と東地区線は合わせて全長43km、南北に点在する住宅地域および東部地区と市中心部を結ぶ無人運転の全線地下の新規路線として建設され、市中心部へのアクセス向上と所要時間短縮を実現します。今回受注した車両は4両編成で、最高速度を100km/hに向上、1両ドア数を片側5口に増加、最新の列車情報システムを搭載した次世代無人運転車両として同路線に投入されます。

これまで当社は、他社との共同受注を含めて、LTA向けに地下鉄電車を開業当初の1986年から2013年までに累計678両納入した実績を有しており、さらに現在製造中の車両を含め2016年までに204両を順次納入する予定です。今回の受注は、当社の契約履行能力、納入車両の良好な運行実績・品質、ならびに本入札で提案した技術・価格が総合的に評価されたものです。

当社と南車四方は、1985年に友好工場協定を締結して以来の協力関係にあり、近年では広州地下鉄4号線および5号線向けリニア車両や中国鉄道部向け高速車両を共同受注するなど、中国国内のプロジェクトでの実績に加え、日本、中国以外の第三国でも共同プロジェクトを進めてきました。今回の受注は、両社の第三国共同プロジェクトとしては、LTAより2009年5月に受注した132両(2011年に78両を追加受注し合計210両)、2012年に受注した132両(2013年に18両を追加受注し合計150両)に続く契約となります。

今後とも当社は、アジアをはじめとする世界市場での車両ビジネスを積極的に展開していきます。

□ 車両の概要

① 車   種 地下鉄電車(4両×91編成、計364両)
② 寸   法 23.6m(長さ)×3.2m(幅)×3.7m(高さ)
③ 車体材質 アルミ合金
④ 集電方式 第三軌条(直流750V)