H-ⅡAロケット用フェアリングを出荷

2013年11月18日

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川崎重工は、H-ⅡAロケット用衛星フェアリング※1を当社岐阜工場(岐阜県各務原市)での設計・部品製造を経て、播磨工場(兵庫県播磨町)にて組み立て後、種子島宇宙センターに向けて出荷しました。本衛星フェアリングは、種子島宇宙センターで打ち上げを執行する三菱重工業(株)に納入され、同社のH-ⅡAロケットに組み込まれます。なお、同ロケットは平成25年度内の打ち上げに向けて準備作業が進められます。

今回出荷した衛星フェアリングは、直径4メートルのシングル・タイプ(4S型)で、この中に衛星が1機 組み込まれます。本H-ⅡAロケットは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と米国航空宇宙局(NASA)が共同開発を行った全球降水観測(GPM)主衛星※2を搭載します。

当社は、1993年にH-Ⅱロケット向けに衛星フェアリングを納入したのを皮切りに、H-Ⅱロケット向けは計7機分を納入しています。H-ⅡAロケットにおいても、4メートル・シングル・タイプ(4S型)、4メートル・デュアル・タイプ(4/4D型)、5メートル・シングル・タイプ(5S型)の各種衛星フェアリングを開発・製造し、計22機分を納入した豊富な実績を持っています。

当社が開発・製造してきた各種H-ⅡAロケット用衛星フェアリングは、大型衛星や2基の衛星の同時打ち上げなど多様な打ち上げ需要に対応できます。当社は、今後も衛星フェアリングの開発・製造を通して、我が国の衛星打ち上げビジネスに積極的に貢献していきます。

 

□H-ⅡAロケット用衛星フェアリングの概要

 
4メートル・シングル・タイプ(4S型)
 
全長
12メートル
 
直径
約4.1メートル
 
搭載できる衛星
長さ約10.2メートル、直径3.7メートルまでの衛星

 

※1:
衛星フェアリングは、衛星を格納する部分で、ロケット先端部に取り付けられ、打ち上げ時の空力加熱、音響(振動)などの過酷な環境から衛星を保護するためのものです。これは大気圏外に達した後に左右に2分割して衛星を分離します。
※2:
GPM(Global precipitation measurement)計画は、地球全体の降水(雨や雪)を複数の人工衛星を使って全球降水観測(GPM)を行います。その観測データを利用することにより、複数の人工衛星による降水の観測精度を向上し、より高精度、高頻度な降水の観測を目指します。