エンブラエル社向け「Embraer170/190シリーズ」1,000号機用の動翼を出荷

2013年04月05日

C3130405-1.jpg

川崎重工は、本日、エンブラエル社向けに「Embraer170/190シリーズ」の1,000号機用動翼を出荷しました。

「Embraer170/190シリーズ」は、ブラジルの航空機メーカーであるエンブラエル社が開発した70~120席のリージョナルジェット機です。同シリーズは、広い室内空間と取り回しの良さから、世界各国の主要エアラインのみならず、LCC(Low Cost Carrier)やチャーター機としても広く使用されており、世界42カ国、65のエアラインで908機(2012年12月末時点)が運航されている大ヒット機です。日本国内でもジェイエア、フジドリームエアラインズにて18機が運航されています。

当社は1999年より、リスクシェアリングパートナーとして「Embraer170/190シリーズ」の開発に参加し、「Embraer170/175」の中央翼、主翼前縁、主翼後縁、動翼、エンジン結合部の設計・製造を、「Embraer190/195」では中央翼と主翼全体の設計・製造を担当しました。現在は、「Embraer170/190シリーズ」の主翼構成品のうち、高い技術的水準が要求される複合材製動翼を中心に製造・納入を続けています。なお、動翼の材料には、当社が開発した炭素繊維複合材「KMS-6115」を使用することで軽量化を図っており、その品質ととともに高い評価を得ています。

当社は、引き続き高品質な製品の提供を通じて、エンブラエル社プログラムに貢献しつつ、民間航空機事業の拡大に向けた積極的な事業展開を進めていきます。

 

※炭素繊維強化複合材 「KMS-6115」

 

当社が開発した、従来の特殊なグレードの炭素繊維を用いるのではなく、高性能な一般産業用炭素繊維と高靭性エポキシ樹脂を原料とし、コストの低減を図った航空機用材料。エポキシ樹脂に接着能力を併せ持たせることで、性能面では引張強度で60%、圧縮強度で30%の向上を実現しています。