石油・天然ガス分野で用いられるシャトルタンカー用推進機を受注

2013年04月04日

川崎重工は、世界有数の石油・天然ガス会社であるノルウェーのスタットオイル社(Statoil ASA)が進めるバレンツ海での油田開発に使用されるシャトルタンカー用推進機を、韓国の三星重工業(Samsung Heavy Industries Co., Ltd.)より受注しました。今回受注した推進機は、シャトルタンカー2隻分の旋回式スラスタ「レックスペラ」8基とサイドスラスタ2基で、2013年12月から2014年1月にかけて納入する予定です。

石油関連ビジネスの中流である資源輸送に用いられるシャトルタンカーは、洋上に設置された石油生産・貯蔵・積み出し施設から石油を積み込み、石油精製基地までピストン輸送(シャトルサービス)を行います。

今回受注した「レックスペラ」は、水平方向360度の任意の方向に推進力を得られる全旋回式推進機で、推進機・舵・サイドスラスタの機能を備えており、ピストン輸送時には抵抗とならないよう船体内に格納できる「昇降式」となっています。また、サイドスラスタは、船舶の離接岸を容易にするなど、操船性を向上させる横方向推進装置です。「レックスペラ」とサイドスラスタが、主推進機と連動して使用されることにより、荷役のため船体を定位置に保持する必要があるシャトルタンカーに対して、強風や潮の流れなど厳しい海象条件においても高い定点保持能力を提供することができます。

さらに当社は、本件に続き、ブラジル国営石油会社・ペトロブラス社(PETROLEO BRASILEIRO S.A.)がブラジル沖の油田開発に使用するドリルシップ6隻分の「レックスペラ」36基を、ブラジルの造船会社であるエスタレーロ・エンセアーダ・ド・パラグワス社(ESTALEIRO ENSEADA DO PARAGUAÇU S.A.)から受注するなど、石油・天然ガス分野で用いられる大型船向け推進機の受注活動を積極的に展開しています。

当社はこれまでに、「レックスペラ」を約750基、サイドスラスタを約4,500基納入した実績を有しています。これらの受注は高い技術力に裏づけされた豊富な納入実績ならびに確立されたアフターサービス体制が評価されたものです。

当社は今後とも、世界的なエネルギー需要の増大に伴って海洋資源開発が活発化する中、シャトルタンカーやドリルシップなど石油・天然ガス分野で用いられる大型船向け推進機の拡販に注力し、舶用推進機ビジネスの拡充を図っていきます。

 

※「レックスペラ」:川崎重工の登録商標です。