シンガポール地下鉄工事向け泥土圧シールド掘進機5基を連続受注

2012年03月28日

 

川崎重工は、シンガポール地下鉄のダウンタウンライン第3期建設工事に投入されるシールド掘進機5基を連続受注しました。今回の受注は、928工区及び932工区向けに佐藤工業(株)のシンガポール現地法人Sato Kogyo (S) Pte. Ltd.から3基、930工区向けにSK Engineering & Construction(韓国)から2基を連続で受注したもので、2013年初頭までに順次納入する予定です。

今回受注した掘進機は、泥土圧シールド掘進機(直径6.63m)で、現在シンガポール陸上交通庁(Land Transport Authority:LTA)が進めている地下鉄ダウンタウンライン第3期建設工事(全長21km)のうち、Bedok North(ベドック・ノース)駅からKaki Bukit(カキ・ブキ)駅(928工区)、Ubi(ウビ)駅からMacPherson(マクファーソン)駅(930工区)、Matter(マター)駅からGeylang Bahru(ゲイラン・バル)駅(932工区)に至る3つの工区に投入され、あわせて上下線全長約6kmを掘削します。なお、これらのトンネル掘削工事は2013年末頃に完成の予定です。

今回使用される泥土圧シールド掘進機は、軟弱土層の掘進に用いられるシールド掘進機の技術を基本に、岩盤や礫層などの掘削に用いられるTBM(Tunnel Boring Machine)の技術を取り入れたもので、複雑な土質を1基の掘進機で掘削します。また本機には、当社独自のカッター交換方式を採用し、土質に応じたカッターを装備できるようにしたほか、曲線部の掘削に対応するため中折れ式を採用するなど、工区特性に合わせた仕様としています。

当社は、2009年にシンガポール地下鉄のダウンタウンライン第2期建設工事向け泥水式シールド掘進機を5基受注するなど、今回の受注分を含めて、これまでにシンガポール向けに22基、国内外で約1,400基のシールド掘進機・TBMの受注実績を有しています。

シンガポールではLTAが引き続き地下鉄建設工事を計画するなど、地下工事の増加が予想され、今後もシールド掘進機の発注が見込まれます。また、中国、タイ、マレーシア、インドネシアでも地下鉄建設を中心とした地下工事が計画されており、アジア市場全体で中長期的に安定した掘進機需要が見込まれています。

当社は今後も国内外を問わずシールド掘進機・TBMの営業展開を強力に推進していきます。