ベルギー向け7,400kWガスタービン・コージェネレーションシステムを初納入

2012年03月21日

川崎重工は、欧州のガスタービン販売・サービス拠点であるカワサキ・ガスタービン・ヨーロッパ社(KGE:Kawasaki Gas Turbine Europe GmbH、ドイツ・フランクフルト)を通じて、印刷業界および医療用の写真・デジタル画像システムなどを手がける世界有数のイメージングメーカーであるアグフア・ゲバルト社(The Agfa-Gevaert Group、ベルギー・モーツェル)向けに、発電出力7,400kWのガスタービン・コージェネレーションシステムを納入しました。

 今回納入したシステムは、自社開発のカワサキガスタービン「M7A-03D」を主機とする天然ガス焚きのガスタービン発電設備「GPB80D」と排熱回収ボイラで構成されており、アグフア・ゲバルト社の主要 生産工場(ベルギー・モーツェル)に設置されています。本システムは、ガスタービン発電設備によって発生する電力に加えて、ガスタービン発電設備の排ガスを排熱回収ボイラで蒸気として回収することにより、90%以上の総合効率を達成します。本システムにより発生する電力と熱は工場内の生産設備に供給され、同工場のエネルギーコストとCO排出量を削減します。

当社は「M7A-03D」の製造を行い、KGEがボイラ・補器等の納入および据付工事、試運転を担当しました。

「GPB80D」は、既に市場で高い評価を得ている「GPB60D」、「GPB70D」をベースに開発され、実証された数多くの最新技術を採用しており、世界最高レベルの熱効率を発揮します。本件は、ヨーロッパに おいて5台目の「GPB80D」の納入実績であり、ベルギーにおいては同発電設備の初納入となります。

さらに、今回アグフア・ゲバルト社向けに搭載される「M7A-03D」は、当社が低NOx排出値を達成するために新開発した新型DLE燃焼器を搭載しており、NOx排出値は世界最高レベルの15ppm(O15%換算値)を保証しています。

今回の当社製ガスタービン・コージェネレーションシステムの採用は、システムの優れた環境性能とライフサイクルコストが評価されたものです。

当社は、「GPB80D」の優れた総合効率と、国内外で積み重ねてきた納入実績によって示される技術力を活かし、欧州市場におけるシェア拡大に向けて、ガスタービン発電設備の市場開拓を強化します。また、欧州ほか、米州、東南・南アジア、中東、日本を含むアジア極東地域においても現地販売拠点を活用し、世界5極体制により事業を積極的に展開していきます。