ロールス・ロイス社の最新鋭旅客機用エンジン「Trent XWB」の中圧圧縮機モジュールを初出荷

2011年03月23日

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川崎重工は、ロールス・ロイス社(英)の最新鋭旅客機用エンジン「Trent XWB」の中圧圧縮機(IPC)モジュールの組立を完了し、同社のダービー工場に初出荷しました。

「Trent XWB」は、現在6機種がラインアップされているロールス・ロイス社「Trentシリーズ」の最新モデルで、エアバス社(仏)が開発中の新型旅客機「A350XWB」への搭載が唯一決定している推力75,000から93,000ポンド以上の最新鋭旅客機用エンジンです。

当社は、ロールス・ロイス社の「Trent XWB」開発・生産プログラムに「リスク&レベニュー シェアリング パートナー(RRSP)」方式で参画し、現在同社と共同で開発を進めています。当社は、同プログラムにおいてIPCモジュールの設計・製造・組立を担当し、2010年3月より部品単位で納入していましたが、今回IPCモジュールの部品製造から組立までの工程を完了し、モジュールとして初出荷したものです。当社がIPCモジュール全体の設計・製造・組立を担当するのは、「Trent 1000」に続き2機種目となります。

IPCモジュールとは、エンジンを構成する8個の主要モジュールの一つで、直径1.5m×長さ1.5m、部品数は約4,000点です。IPCモジュールには最新の設計・製造技術を取り入れており、8段のチタン合金製ディスクを電子ビーム溶接によって一体化したドラムに回転羽根(動翼)を取り付けたローター、内側に固定羽根(静翼)を取り付けたケース、フロントベアリング支持構造などで構成されており、ファンから送り込まれた空気を昇圧して高圧圧縮機に送り込む機能を持っています。

当社が今回出荷したIPCモジュールは、2011年後半に実施予定のフライング・テストベッド試験(飛行状態でのエンジン運転試験)用エンジンに組み込まれます。今後、当社は飛行試験エンジン用、量産エンジン用にIPCモジュールの製造を行う計画です。

当社とロールス・ロイス社は、1959年に航空機用エンジン「オリフュース」のオーバーホールに関する技術提携契約を締結して以来、防衛航空機用エンジン、旅客機用エンジン、舶用ガスタービンエンジンなどの幅広い分野で緊密な協力関係を築いています。

特に旅客機用エンジンの分野では、同社の「RB211」(B747/767用)、「Trent 700」(A330用)、「Trent 800」(B777用)、「Trent 500」(A340-500/600用)、「Trent 1000」(B787用)などの開発・生産プログラムに当社が「リスク&レベニュー シェアリング パートナー(RRSP)」方式で参画しているほか、「V2500」(A320シリーズ用)の国際共同開発・生産事業には両社共に参画しています。

今後とも当社は、航空機用エンジン開発技術力の高度化、生産基盤の強化を進めるとともに、航空機用エンジンの共同開発・生産プログラムへ積極的に参画するなど、航空機用エンジン事業の発展に注力していきます。