国際液化水素サプライチェーンにおけるCO2排出量の『見える化』に向け第三者認証機関のDNVと覚書を締結

2023年05月29日

川崎重工は本日、世界最大級の第三者認証機関であるDNV*1と、液化水素の製造から利用に至るまでのサプライチェーン全体におけるCO2排出量の評価に向けて、排出量の具体的な算定方法を協働で検討するため、覚書を締結しました。

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CO2などの温室効果ガスの排出量削減が世界的な重要課題となる中、利用時にCO2を出さないクリーンエネルギー「水素」に大きな注目が集まっています。エネルギーセキュリティの観点からも、国際的な水素サプライチェーンを構築し、海外の資源国から大量・安価、かつ安定的に調達することが必要であると考えられています*2。同時に、脱炭素に向けた水素の普及には、サプライチェーンの各フェーズ(つくる・はこぶ・ためる)で排出されるCO2排出量を適切に算定し、サプライチェーン全体としてCO2排出量を評価していくことが重要です。

そのためには、水素が低炭素であることを信頼性・透明性をもって証明するためのCO2排出量の算定・評価方法の確立が必要であり、これは脱炭素化に向けて水素の社会実装を支援する制度づくりに取り組む国々や事業活動全体のCO2排出量を開示する取り組みを加速させている多くの企業にとっても極めて意義のあるものです。

このような背景を受け、当社は、温室効果ガス関連の第三者認証や船舶での海上輸送に関する豊富な知見を有するDNVと協働し、液化水素サプライチェーン全体でのCO2排出量を評価するための、具体的な算定方法の確立を率先して行います。

今回の液化水素サプライチェーンにおける低炭素価値の見える化の取り組みは、将来の情報開示基盤の構築につながり、水素市場の環境整備を加速させ低炭素水素の早期普及に資すると考えます。当社は、引き続き液化水素サプライチェーン構築および本取り組みを通じて、水素の社会実装そして世界全体のカーボンニュートラル実現に向けて貢献してまいります。

*1 DNVとは、ノルウェー・オスロに本部を置く国際的な第三者認証機関・船級協会。世界最大級のサービス・プロバイダーで、オイル&ガス分野のリスクマネジメント、風力/電力送配電分野のエキスパート。
*2 経済産業省公表のグリーン成長戦略に記載。