医の倫理委員会規程
目的
第1条
- 当社が行う「提供されたヒト試料を用いる」及び「ヒトを対象とする」研究(以下「当該研究」という)について、ヘルシンキ宣言(2000年10月修正)の趣旨に沿うものであるか否かを科学・倫理の両面から審議することを目的として、技術開発本部(以下「技開本」という)に「医の倫理委員会」(以下「倫理委員会」という)を置く。
任務
第2条
- 倫理委員会は、第1条の目的に基づき次の任務を行う。技開本で行う当該研究の実施責任者から申請された実施計画の内容に関して審議するものとする。
- 2.倫理委員会は、必要に応じて開催するものとする。
定義
第3条
- この基準における用語の定義は次の通りとする。
- (1)ヒト試料:患者本人、ドナー、あるいは脳死を含む遺体から摘出した臓器・組織・細胞あるいは、それらを原材料とする医薬品・医療用具等である。ただし、血液製剤は除く。
- (2)ヘルシンキ宣言:世界医師会が「ヒトを対象とした生物医学研究に携わる医師への指針」として勧告したもの。
組織
第4条
- 倫理委員会は次の各号に掲げる委員で組織する
- 1.委員長 技術開発本部長もしくは技術担当副社長
- 2.副委員長 技術開発本部から委員長が任命する
- 3.社内委員(人文社会科学分野) 企画本部から1人
- 4.社内委員(自然科学分野) 当社内の医療バイオ分野の専門家1人
- 5.社内委員(一般の立場) 技開本業務部から1人
- 6.社外委員 当社と利害関係のない人、3人以上(うち、女性1人以上)
- 2.第1項の委員は、技開本部長が委嘱する。
- 3.第1項の委員の任期は二年とし、再任を妨げない。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
- 4.委員長に事故ある時は、副委員長は委員長の職務を代行する。
- 5.委員長は、倫理委員会を招集し、議長となる。
- 6.委員会は、過半数の委員の出席で成立する。ただし、出席委員の内、外部委員1人以上の出席を必要とする。
- 7.委員会審議事項のうち、委員長は、複数の委員と協議の上、書類審議に適していると判断される事項については、書類送付により審議することができる。この場合、審議事項についての結論は、委員の三分の二以上の合意により定めるものとする。
- 8.第1項3.から5.に適当な社内委員がいない場合は社外委員でも可とする。
審議の方針
第5条
- 倫理委員会は、第1条の目的に基づき、第2条に掲げる事項に関して医学的、倫理的、社会的な面から調査検討し審議する。審議を行うに当たっては、特に次の各号に掲げる事項に留意しなければならない。
- (1)研究の目的と科学的意義を明確にし、研究過程で生じる可能性のある倫理問題及び研究結果から生じる可能性のある倫理問題が明らかにされていること。
- (2)研究の対象となる「ヒト試料」の提供者、及び「ヒトを対象とする」研究の被験者の人権が擁護されていること。
- (3)「ヒト試料」の提供者、及び「ヒトを対象とする」研究の被験者に十分に説明して理解を求め、書面によって了解を得たという事実が明確にされていること。
- (4)研究等によって生じる「ヒト試料」の提供者、及び「ヒトを対象とする」研究の被験者の不利益及び危険性並びに医学上の貢献度の予測が明らかにされていること。
- 2.守秘義務について
審査を行う上で知り得た申請内容に関する情報のうち、1)個人識別情報などの人権を侵害する恐れのある情報、2)独創性又は特許権などの知的所有権の保護に支障が生じる情報を、法令又は裁判所の命令に基づく場合などの正当な理由なしに漏らしてはならない。委員を退いた後も同様とする。
実施計画の審議
第6条
- 倫理委員会は、実施責任者に出席を求め、実施計画の内容等の説明並びに意見を聴取することができる。ただし、実施責任者が委員である場合は、審査の判定に加わることはできない。
- 2.倫理委員会は、申請課題の関連領域の研究の専門家から意見を聴取することができる。
- 3.審議事項についての結論は、出席委員の三分の二以上の合意により定めるものとする。
申請手続及び判定の通知
第7条
- 研究等の実施を計画した者は、実施責任者を定め、申請書を倫理委員会の委員長に提出し、倫理委員会の承認をもとめるものとする。
- 2.倫理委員会の委員長は、審議終了後速やかに、その結果について通知書を交付するものとする。
- 3.審査経過及び判定は記録として保存し、委員名、討議された研究項目、審議結果等の要約に関して公開する。ただし、提供者等の人権、研究の独創性、知的財産権の保護に支障が生じる恐れのある部分は、事務局の判断で、これを公開しないこととする。その場合、非公開とする理由を公開する。
規程の改正
第8条
- この規程の改正は、技術開発本部長の決裁を経なければならない。
経過の報告と委員会の招集
第9条
- 倫理委員会の承認を得て実験を開始した後は、その経過を3ヶ月毎に各委員に文書で報告しなければならない。
- 2.経過報告の間隔は上記にかかわらず、委員会の議決により変更できる。
- 3.経過報告の結果、委員会による再審議を必要と認めた委員は委員会の開催を要求することができる。その場合、委員長の同意、又は、三分の一以上の委員の同意があれば、委員会を開催しなければならない。
公開
第10条
- 組織に関する事項や運営に関する規則が公開されるとともに、議事の内容についても原則として公開されなければならない。
- 2.組織に関する公開すべき事項は、以下のとおりとする。
- (1)倫理委員会の構成
- (2)委員の氏名、所属及びその立場
- (3)「ヒト試料」の提供者、及び「ヒトを対象とする」研究の被験者に十分に説明して理解を求め、書面によって了解を得たという事実が明確にされていること。
- (4)研究等によって生じる「ヒト試料」の提供者、及び「ヒトを対象とする」研究の被験者の不利益及び危険性並びに医学上の貢献度の予測が明らかにされていること。
- 3.議事内容の公開については、
- (1)議事の内容は、それが具体的に明らかとなるように公開されなければならない。
- (2)提供者等の人権、研究の独創性、知的財産権の保護に支障が生じる恐れのある部分は、事務局の判断で、これを公開しないこととする。その場合、非公開とする理由を公開する。
事務局
第11条
- 倫理委員会の事務局は、技開本技術企画推進センターシステム開発企画部とする。
細則
第12条
- 議事録・関係書類は技開本もしくは関連施設において10年間保管する。
付則
- 1.この規程は2005年6月1日から実施する。
- 2.この規程の改廃に当たっての立案者は、技術企画部長とする。
- 3.平成19年9月16日(社達第2415号) 平成20年10月1日(社達第2467号)
平成21年5月16日(社達第2507号) 平成22年9月1日(社達第2547号)
平成23年5月1日(社達第2596号) 平成26年4月1日(社達第2757号)
平成30年5月1日(社達第2932号) 一部改正
以上