Waste FREE(循環型社会の実現)
世界的な人口の増加により、2030年には地球2個分の資源が必要と言われている中で、社会を持続可能なものとしていくために、天然資源の使用量削減や廃棄物排出量削減に対する社会的な要請が高まっています。
川崎重工グループは、資源の使用量削減や製造工程での廃棄物の削減、廃棄物のリサイクルなどを通じて有限な資源を大切に活かしきり、循環型社会の実現を目指して取り組んでいます。
また、水資源についても、個々の工場の水使用状況を把握し、無駄なく有効利用する方法を検討することで水使用量の削減に努め、環境への負荷低減を推進します。
環境経営活動基本計画2023重点施策
環境計画2023重点施策 |
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資源の有効活用
資源使用量の削減
当社グループは環境への負荷低減のために、製品企画、研究開発、設計の各段階において、部品点数の減少や軽量化などにより資源活用の効率化を進め、天然資源使用量の削減に取り組んでいます。
天然資源使用量の削減は当社グループだけでなく、サプライチェーン全体で取り組む必要があるため、「川崎重工グループサステナブル調達ガイドライン」に、天然資源使用量を必要最小限に抑える旨の記載を織り込み、サプライヤーとも協働して取り組みを進めます。
製造工程での廃棄物の削減
製造工程において、資源を無駄なく利用して廃棄物を削減すること、および製造工程で発生した廃棄物のリサイクルを推進することにより、直接埋め立て廃棄物をゼロにすることを目標に活動を継続しています。
2022年度の川崎重工・川崎車両・カワサキモータースの廃棄物総排出量は前年度より3,075トン減少し、39,697トンとなりました。また、最終処分率(=直接埋め立て廃棄物÷廃棄物総発生量)は0.1%であり、目標である1%以下を達成しました。
ライフサイクル分析の活用
新規開発・設計製品や特に重要な製品に対して、天然資源使用量の削減、省エネルギー、リサイクル性などについて製品アセスメントを実施し、製品のライフサイクルでの環境負荷の低減を目指しています。製品の種類によって具体的な評価方法が異なるため、事業部門ごとに「製品アセスメント規程」を作成し、製品特性に合った対応を可能にしています。主な評価項目は次の通りです。
- 製品の減量化
- 製品製造時の省エネルギー化
- 製品使用時の省エネルギー化
- 製品の長寿命化
- 製品の安全性と環境保全性
- 製品の廃棄・リサイクルへの対応
- トラブルなどの緊急時の環境影響
- 使用・メンテナンスなどのための情報の提供
- 法規制への対応
PCB処理の推進
ポリ塩化ビフェニル(PCB)廃棄物の処理は、適正処理等を規定したストックホルム条約に基づき世界的に進められています。国内では、環境省が設立した中間貯蔵・環境安全事業株式会社を中心とした処分が計画的に実施されており、高濃度PCB廃棄物の段階的な処分期間終了は2023年、低濃度PCB廃棄物は2027年までの処分期間終了となっています。
これまで社内で計画的な処分を進めてきましたが、昨年度中に工場で新たに高濃度PCB廃棄物が発見される事案がありました。現在、行政機関と情報を共有して処分会社への委託契約などを進めています。2023年度中にすべての高濃度PCB廃棄物の処分を完了するよう取り組んでいます。
水資源の保全
水使用の用途と量の詳細把握
川崎重工・川崎車両およびカワサキモータースでは、水資源を有効に利用するため、個々の工場の水使用状況の詳細把握を進めています。
過去4年間の川崎重工・川崎車両・カワサキモータースの取水量・排水量・水使用量はESGデータのページに示しています。生産活動に係る利用やボイラの利用などで用途を再確認しながら無駄のない有効利用を検討し、水使用量の削減に取り組んでいきます。グループ全体でこの取り組みを展開して水リスクの確認につなげていきます。
工場と水量リスク(水ストレス)
社外専門家の協力のもと、アメリカのシンクタンクの一つであるWRI(World Resources Institute)が公開しているAqueduct Water Risk Atlasを活用して、水不足・渇水・洪水・水質汚染の観点から簡易リスク分析を実施しました。
国内外のグループの製造拠点38か所(国内17か所、海外21か所)のうち、世界的に水ストレスが高いと見られるインド、タイ、中国には12か所の製造拠点があり、このうち、7か所については水資源・渇水リスクが特に高いと判定しています。