燃料消費量・CO2排出量 最大35%削減 リプレースに最適な吸収冷温水機 シグマエース1.2Rシリーズを新発売(川重冷熱工業)
2010年09月02日
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川重冷熱工業は、今後増加が見込まれる吸収冷温水機のリプレースをターゲットに、実用運転領域*1の効率を高め、製品質量を軽減することによりスムーズな入替えを可能とした吸収冷温水機シグマエース1.2Rシリーズを開発し、9月から新発売しました。
吸収冷温水機は、1990年代にオゾン層破壊問題からノンフロン空調機として注目され、当時年間4,000台から5,000台が出荷されています。現在、これらの吸収冷温水機が更新の時期を迎えており、リプレースに適した高効率な製品の開発が求められています。
今回開発したシグマエース1.2Rシリーズはシグマエース1.2シリーズ(COP1.2*2)をベースとし、吸収液最適循環量制御を採用すると共に、運転可能な冷却水温度範囲を拡大することで部分負荷領域での効率を飛躍的に高め、年間の燃料消費量・CO2排出量を取替対象機(COP1.1*2)と比べ最大約35%の削減を達成しました。これにより1,055kW(300RT)クラスの製品では、年間でガス料金約210万円、CO2排出量約90tonの削減が可能となります。 また、製品質量についても、高温再生器の新設計や主要部位の最適設計によりベース機と比べシリーズ平均15%(最大17%)軽量化し、入替時の搬入費用および既設基礎の強度対策費用の削減を図っています。
容量範囲についても現行機の281kW~2,462kW(80RT~700RT)の15機種から281kW~3,517kW(80RT~1,000RT)までの17機種にラインアップを拡大し、幅広いユーザーのリプレース需要に対応します。
シグマエース1.2Rシリーズの特長は、以下の通りです。
- 部分負荷効率の改善
シグマエース1.2シリーズをベースとし、伝熱管配置の見直し及び吸収液最適循環量制御を採用することで、実用上運転時間の長い低負荷から中間負荷領域にわたって効率の良い運転が可能となりました。 これにより、実際の負荷パターンと冷却水入口温度JIS条件*3による年間ガス消費量試算では、取替対象機(COP1.1*2)に対し、ガス料金で年間約160万円(図1)、CO2排出量で年間約70ton(図2)と約25%削減可能となります。
- 運転可能な冷却水温度範囲の拡大
伝熱管配置の見直し及び当社独自の制御を搭載することにより、運転可能な冷却水温度領域を従来の35~22℃から35~15℃(業界トップクラス)に大幅拡大しました。 これにより中間期や冬期にも安定した冷水取出しが可能となり、1.2Rシリーズが持つ、優れた部分負荷効率と低冷却水運転*4を併せることで、取替対象機に対し、最大、ガス料金で年間約210万円(図1)、CO2排出量で年間約90ton(図2)と約35%削減可能となります。
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「算出条件」 |
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吸収冷温水機容量 |
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1,055kW(300RT) |
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用途 |
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ホテル(負荷パターンは空気調和・衛生工学会調べ) |
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ガス料金 |
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東京ガス空調用A契約 |
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CO2排出係数 |
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2.29kg-CO2kg/m3N(東京ガスデータ) |
- 大幅な重量軽減
新型高温再生器の採用、主要部位の最適設計化により、ベース機(シグマエース1.2)と比べ、定格COPは現状レベル(COP1.2)を維持したまま、約15%の重量軽減を達成しました。これにより、搬入費用や入替時における既設基礎の強度対策費用の削減が可能となります。 また使用鋼材等の削減により環境負荷低減に貢献します。
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*1 |
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一部のプロセス用途を除いた一般空調用途においては、実際に定格状態による運転時間は非常に短く、年間を通じて最も運転時間が長い負荷領域は50%以下と報告されています。 |
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*2 |
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JIS基準 |
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*3 |
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冷却水JIS条件:負荷100%時:32℃、負荷0%時:27℃(外気湿球温度)、100~0%間は比例的に変化 |
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*4 |
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低冷却水運転条件:負荷100%時:32℃、負荷0%時:15℃(外気湿球温度)、100~0%間は比例的に変化
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□お問合せ先 |
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川重冷熱工業株式会社 東京本社 |
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営業・サービス総括室 営業・サービス管理部 |
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TEL 03-3615-5821 |
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