大型貫流ボイラ「Ifrit(イフリート)」貫流ボイラ初の排ガスO2濃度制御システムを新発売(川重冷熱工業)

2009年09月29日

 

 

川重冷熱工業は、大型貫流ボイラ「Ifrit(イフリート)」(以下、イフリート)ガス焚き仕様において、貫流ボイラとして初めて排ガスO2濃度制御システムを、オプションとして2009年9月より新発売します。
大型貫流ボイラ「イフリート」は、
(1)大型ボイラ並の優れた制御方式と高い蒸気乾き度特性
(2)貫流ボイラならではの高効率・コンパクト性
を併せ持つ新しいコンセプトのボイラとして、2000年に販売を開始しました。その優れた蒸気圧力の安定性、高効率、素早い起蒸という特長から、主に産業用の主熱源機や、コージェネレーションシステムのバックアップ用熱源機などに幅広く使用されています。

今回新発売する排ガスO2濃度制御システムは、O2センサーにより常に排ガスO2濃度を監視し燃焼用空気量を制御することで、外気温度の影響で変化する最適な空燃比を自動的に維持する制御システムです。従来、貫流ボイラに排ガスO2濃度制御システムを適用するには、貫流ボイラの特長である起蒸性の速さや蒸気圧力変動の追従性に対して、O2センサーの応答速度が遅いため、適切な制御が困難でした。当社は、応答速度の速いO2センサーの採用と、ボイラの負荷に応じた予測制御の開発により貫流ボイラへの搭載を可能としました。
また、新たにO2センサーの劣化診断機能を搭載したことにより、O2センサーの検知精度を自動調整できるため、O2センサーの校正作業が不要になり、メンテナンス費用も抑えられます。
本システム搭載により、搭載していない従来機と比べ、年間の燃料費約30万円、CO2の排出量を約5.5ton-CO2削減することが可能となります。(*1)

2008年の省エネ法改正により、従来は対象外であった小型貫流ボイラでも定期的な空燃比の調整および記録が義務づけられるようになりました。当社は定期的な手動調整作業が不要となる本システムを積極的に提案していきます。

当社は、環境問題への意識が高まる中、「イフリート」の環境性と省エネ性の両面から、性能向上に取り組んできました。
今後とも、当社はユーザーの要望に応え、省エネルギーや環境負荷低減を実現できるシステム・機器の開発・販売を通じて、地球環境に貢献していきます。

(*1) 計算条件:機種IF-6000AGE(定格蒸発量6t/h)、年間7,200時間運転、平均負荷率60%、燃料単価100円/m3N、排ガスO2濃度1.5%差の場合。

大型貫流ボイラ「イフリート」ガス焚き用排ガスO2濃度制御システムの特長及び、目標販売数は、次の通りです。

1.主な特長
(1)省エネルギー

・独自の燃焼PI(比例積算)制御に、季節変動による空気比のずれを自動補正する制御を追加し、常に省エネルギー運転が可能。ボイラの最小負荷から最大負荷まで、最適空気比運転を維持。

(2)コンパクト

・コンパクトなセンサーと構成部品のため、あらゆる場所に取付可能。既設ボイラの改造取付も簡単。

(3)メンテナンスフリー

・わずらわしい定期的な校正は必要なし。センサーの劣化診断機能付き。

2.目標販売数
新設ボイラおよび既設ボイラの改造を含め、年間100セット