世界市場向け350km/h新型高速鉄道車両「efSET」の自社開発について
2008年09月11日
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川崎重工は、新型高速鉄道車両「efSET(イーエフセット)※」の開発に着手することを決定しました。今回の新型高速鉄道車両の自社開発は、世界市場に照準を合わせた自主的な車両開発であり、これまで国内外で展開してきた案件毎の車両開発とは異なる全く新しい取り組みで、高速鉄道車両の分野では、日本の鉄道車両メーカーとして初めての取り組みになります。 今回当社が開発する高速鉄道車両は、営業運転速度350km/hを実現するとともに、これまで国内の新幹線車両の設計で培った乗客の快適性向上や周辺環境への負荷低減を実現する技術を適用した新型車両で、2009年度末までに開発を完了する予定です。 当社は、1964年に営業運転を開始した0系新幹線から、最新鋭の新幹線車両に至る国内向け新幹線車両の設計・製造に永く携わってきた鉄道車両メーカーであり、高速鉄道車両の設計・製造に関する豊富な実績およびノウハウを有しています。また、当社は2004年に台湾高速鉄道向け700T型車両、2006年に中国鉄道部向けCRH2型車両を納入した実績を有し、これら車両の良好な運行実績からアジア地域における高速鉄道車両市場での基礎を築いてきました。 鉄道車両は温暖化ガス排出量が少ない大量輸送手段として、世界的に重要性が見直されており、都市間移動の主要交通手段として高速鉄道の導入が世界的に検討されつつあります。現在、アメリカ、ブラジル、ロシア、インド、ベトナムなどの国々が高速鉄道の具体的な新規建設計画を進め、世界中で今後20年程度の期間で10,000km前後の高速鉄道路線が増設される予定であり、これに応じた高速鉄道車両の需要が見込まれています。 こうした市場環境のもと、欧州の鉄道車両メーカーも自社開発の高速鉄道車両の開発・市場投入を進めており、当社は欧州列強との競争に勝ち切り、世界市場での受注を獲得するためには、世界基準に沿った自社開発の高速鉄道車両が必要と判断し、今回の開発を決断しました。開発に際しては、国内鉄道事業者ならびに国内外の機器・部品メーカーからの協力を得ながら、ユーザーフレンドリーで信頼性の高い高速鉄道車両開発を進める予定です。 当社は、今回の新型高速鉄道車両の開発を機に、今後も鉄道車両ビジネスの拡大および収益力向上を実現していくとともに、より快適で優れた交通手段の提供を通じて世界規模で社会に貢献していきます。
2. 開発スケジュール
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