CCA処理木材に対応した木質バイオマスガス化発電・熱供給設備を初受注

2008年03月31日

 

 

 

川崎重工は、木質バイオマスのガス化発電・熱供給設備を、越井木材工業株式会社(大阪市)から受注しました。本設備は、木質バイオマスを独自技術のガス化炉でガス化して可燃性ガスを製造し、ガスエンジンで発電と熱供給を行うもので、当社が製造するガス化炉としては4基目となり、2009年2月までに竣工する予定です。また、CCA処理をした木材に対応可能な仕様として初めての受注となります。

CCA(Chromated Copper Arsenate)とは、木材の防蟻・防腐処理のために使われるクロム、銅、ひ素化合物を含む薬剤で、加圧処理によりCCAを注入した木材は、1995年頃まで家屋の土台や外構材として使われてきました。現在では、CCA処理木材は使われていませんが、家屋の解体材の中には、今まで使用されてきたCCA処理木材が含まれていることから、解体材を有効利用する上での課題となっていました。このたび当社は、越井木材工業と協力してCCA処理木材を安全、適正かつ効率よくエネルギー利用するための技術を開発し、本設備では、CCA処理木材を産業廃棄物として処理することで、直接燃焼に比べて環境への負荷を抑えることが可能です。

当社が独自開発したガス化技術は、独自の固定床ダウンドラフト型ガス化炉を採用し、起動時間が約30分と短く、ガス中のタール濃度が低いという特長があります。当社はすでに、積水ハウス浅井工場(滋賀県長浜市)に、1時間あたりの可燃性ガス製造量450Nm3のガス化炉と、発電出力が175kWのガスエンジン発電機を納入してDaily Start & Stop運転を行っており、定格出力での通算送電時間は1,700時間となっています。今回受注した設備は、この設備と同じ規模であり、完成後は、越井木材工業・平林工場(大阪市)の電力と熱需要の一部をまかなう予定です。

今後とも当社は、バイオマスのみならず、あらゆる再生可能エネルギーの導入・普及を図るため、新製品の開発を進めていきます。