140,000m3型LNG運搬船「ARCTIC VOYAGER」の引き渡し(川崎造船)

2006年07月18日

 



  川崎造船は、7月14日にLLOYDS TSB EQUIPMENT LEASING (NO.1) LIMITED(ロイズ ティーエスビー エクイップメント リーシング ナンバーワン リミテッド)向けLNG運搬船「ARCTIC VOYAGER(アークティック ボエジャー)」(当社第1532番船)を引き渡しました。

本船は、ノルウェーのSTATOIL(スタットイル)社が中核となって開発しているスノービットプロジェクト向けに当社が受注した140,000m3型のLNG運搬船で、川崎汽船株式会社のグループ会社により運航されます。

なお、本船の工程、主要目ならびに特長は次のとおりです。

<工 程 >    
  起工 2005年 5月16日
  進水 2005年 9月13日
  引渡 2006年 7月14日

<主要目 >  
  全長 289.50 メートル
  長さ(垂線間) 277.00 メートル
  幅(型) 48.40 メートル
  深さ(型) 26.50 メートル
  満載喫水(型) 11.90 メートル
  総トン数 118,571トン
  載貨重量 75,434トン
  貨物タンク容積   140,618m3(-163℃、98.5%において)
  主機関 川崎 UA-400型蒸気タービン機関×1基
    連続最大出力27,000キロワット×81回転/分
  航海速力 約19.3ノット
  定員 40名
  船級 ノルウェー船級協会(DNV)
  船籍 バハマ

<特 長 >
1) 本船は、ノルウェー北部から北米東海岸または欧州南部を結ぶ航路への就航が予定されており、寒冷地および厳しい海象条件を考慮した設計を施しています。
2) DNVの船級符号「Comfort Class」の最上位クラスである「COMF-V(1)※1」が要求する振動・騒音レベルを満たし、居住区域の高い静粛性を実現しています。また、居室毎に温度調節が可能な空調設備も装備し、快適な居住空間を実現しています。
3) ダブルハル構造燃料油タンクの採用、機関室ビルジ排出系統に高機能型油水分離器を装備するなど、海洋環境の保護に配慮しています。
4) 航海中の海水バラスト漲り換え作業を自動化し、乗組員の作業を低減しています。また、高揚力舵とバウスラスターを装備し、離着桟時の操船性向上を図っています。
5) DNVの船級符号「NAUT-AW※2」相当の船橋設備・配置を採用することで、大洋航行時および港内操船時のワンマンオペレーションを可能とし、運航の効率化や一層の安全航行を実現しています。
6) 液化天然ガスを強制的に気化させ推進装置に供給する気化装置を備え、燃料油の価格動向に応じた経済的輸送を可能としています。
7) 船内の機関・電力・貨物の各システムを電子制御するとともに、統合制御監視システムで船内各システムの合理的な統合管理を実現しています。
8) 大型化に伴い増加する本船の電力需要に対して、当社建造LNG船では初となる6,600V高電圧配電を採用し、より安全で高品質な大電力供給システムを実現しています。
9) 波浪観測装置および船体構造主要部分にセンサーを装備し、航行海域の波浪状況と船体に発生する応力の対比・監視を可能にしています。

※1 COMF-V(1)
  所定の居住設備振動・騒音レベル達成した船に追加付与されるDNV船級符号であり、COMF-V(1)は商船を対象とした最上位クラスの符号。
※2 NAUT-AW
  航行する全海域において、ワンマンオペレーションでのより安全な航行を行うための設備、人間工学に基づく配置を定めたDNVの追加船級符号。