三井鉱山向けに石炭調湿設備を納入(カワサキプラントシステムズ)

2006年05月15日

 

 

川崎重工は、三井鉱山北九州事業所向けに石炭調湿設備を納入しました。
石炭調湿設備は、コークス原料である石炭を適度に乾燥させ、品質を安定させることにより、コークス炉の省エネルギーと生産性に寄与するものです。

今回納入した設備は、三井鉱山と共同開発した、1時間あたりの処理能力が220トンの設備で、ドライヤ本体、付帯コンベア、蒸気供給・熱水回収・制御装置などで構成されており、当社は主要機器の供給、機器据付等の現地工事をフルターンキーで行いました。

本設備には、コール・イン・チューブ・ドライヤ方式を採用しています。同方式は、石炭を投入したチューブを外面から加熱するもので、多数のチューブを束ねた傾斜ドラムが回転しながら石炭の乾燥を促進するしくみで、特長は次のとおりです。
間接加熱方式により、耐腐食性・耐磨耗性に優れています。
傾斜回転ドラムにより石炭の十分な滞留時間を確保できることから、設備をコンパクトに抑え、狭い敷地に設置することが可能です。
石炭が損傷しにくく、発塵を抑えています。

本設備を用いることにより、原料炭の水分を通常の9~12%から8%に低減し品質を安定させることから、コークス炉の燃料を大幅に削減するとともに、安定操業により生産性を約1割向上します。
また、調湿により原料炭の品質が向上することから、原料炭に比べ安価な一般炭を混合できるようになり、コークスの品質を維持しながら製造単価を下げることにも貢献します。
なお、本設備の熱源には、コークス生産の消火・冷却過程で発生する余剰蒸気を熱源として利用しています。

当社は、石炭調湿設備のトップメーカーとして、これまで国内の製鉄・化学会社向けに計6基の納入実績を有しており、高い評価を得ています。
近年、世界的な鉄鋼需要の拡大を背景にコークスの需給が逼迫していることから、今後も国内外でコークス関連の設備投資が数多く見込まれています。今後とも当社は、石炭調湿設備をはじめ、コークスガス回収発電設備等、コークス関連設備の積極的な事業展開を行い、特に中国や韓国などアジア諸国への営業にも注力していきます。

□設備の概要
1.納入場所 : 三井鉱山株式会社 北九州事業所(北九州市若松区)
2.設備形式 : 石炭調湿設備(コール・イン・チューブ・ドライヤ方式)
3.設備能力 : 220t/h(乾燥炭ベース)、入口水分11%→出口水分8%
4.構成機器 : ドライヤ本体、付帯コンベア、蒸気供給・熱水回収・制御装置など