防衛庁に掃海・輸送ヘリMCH-101用RTM322エンジン国産初号機を納入

2005年10月14日


川崎重工は、海上自衛隊の掃海・輸送ヘリコプターMCH-101用「RTM322-KHI-02/8」エンジンの国産初号機を完成し、本日当社の明石工場で納入しました。

今回納入したエンジンは、2005年3月に防衛庁から受注し、当社明石工場にてエンジン部品の組立を行なった上、新たに建設したエンジン運転設備での試運転を経て完成に至ったものです。

本「RTM322-KHI-02/8」エンジンは、最新技術を採用した2000馬力級のエンジンで、優れた耐食性、耐久性とともに、FADEC(電子式制御装置)、モジュール構造、同クラスのエンジンより少ない部品点数(約3000点)で構成することにより、高い信頼性と整備性を実現しており、さらには、設計上3000馬力までの発展を可能としています。当社としては、陸上自衛隊向けT53エンジン、陸上自衛隊・航空自衛隊向けT55エンジンにつぐ、3番目のヘリコプター用のライセンス製造国産エンジンとなります。

RTM322エンジンは、ロールス・ロイス社(英国)とターボメカ社(仏国)の合弁会社RRTM社が開発した2000馬力級の中型クラスヘリコプター用のターボシャフトエンジンで、EHインダストリーズ社製EH101、ユーロコプター社製NH-90ならびにアグスタウェストランド社製WAH-64の各ヘリコプターに搭載され、イギリス、フランス、ドイツ、ポルトガル、デンマーク等の国で採用されています。

RTM322エンジンが搭載されるEH101は、掃海ヘリMH-53Eならびに南極観測支援ヘリS-61Aの後継機種(MCH-101/CH-101)として選定され、当社が機体およびエンジンの国産製造会社として防衛庁よりプライム指名を受けています。現在、RRTM社製エンジンを搭載したMCH-101の初号機が、当社岐阜工場にて最終調整作業中で、本年度末に納入される予定です。今後、当社製エンジンを搭載した機体の製造を進めていきます。

当社は、今回の国産エンジン初号機の納入により、国内における本エンジンの組立、試運転体制および後方支援基盤を確立し、引き続き既契約の7台の製造を進め、今後とも円滑な供給と維持整備体制の強化に取り組んでいきます。