(株)福岡クリーンエナジー向け高効率廃棄物発電プラントを納入

2005年08月04日

川崎重工は、福岡市と九州電力(株)が共同出資する第3セクターの(株)福岡クリーンエナジー向けに、高効率廃棄物発電プラント(ストーカ式)を納入しました。

(株)福岡クリーンエナジーは、廃棄物発電事業としては国内初となる、自治体と電力会社からなる第3セクター方式により運営されており、全国的にも今後の廃棄物発電事業における一つのモデルとして、注目を集めています。
今回納入した廃棄物発電プラントは、廃棄物処理能力900t/日(300t/日ストーカ式焼却炉×3基)、発電出力29,200kw、発電効率約20%という設備能力を有し、環境対策関連でもダイオキシン類の排出総量基準値を設定して、環境負荷低減を図るなど機能性を追求した最新鋭の設備です。当プラントで発電した電力は、当プラントの稼動電力となる一部を除いて、(株)福岡クリーンエナジーにより九州電力(株)へ売電されます。

本設備の技術的特長は次のとおりです。

1)循環型廃棄物処理施設としての位置付けから、廃棄物発電において実績豊富な自然循環式高温高圧ボイラ(蒸気条件:4.0MPa,400℃)と抽気復水タービンの採用により、安定操業と高効率発電の両立を図っています。
2)環境保全対策の1つとして、ダイオキシン類を可能な限り削減することを目標とし、基準値を排ガス中の濃度0.1ng‐TEQ/m3N以下、排出総量では焼却ごみトン当たり5μg‐TEQ以下と設定しています。
3)排ガス処理においては、乾式集じん器(バグフィルタ)+湿式洗煙装置+触媒反応塔の設置により、万全な環境対策を図っています。

今回納入した廃棄物発電プラントには、当社として147施設目の納入となるストーカ式焼却炉が採用されています。当社はストーカ式焼却炉以外にも、流動床式ガス化溶融炉、直接ガス化溶融炉(シャフト炉式)の技術を有しており、客先のニーズに木目細かく対応する体制を敷いています。さらに、ごみを燃料化するRDF(ごみ固形化燃料)製造・発電プラントもラインアップしており、総合環境装置メーカーとして、製品メニューの多様化と一層の高付加価値化を図っております。
当社は廃棄物処理及び発電分野における豊富な実績を活かし、今後も多様化するニーズに対応するため、積極的な技術開発と販売活動を展開していきます。

【施設の概要】
1.発注者(株)福岡クリーンエナジー
2.所在地福岡県福岡市東区蒲田5丁目11番2号
3.敷地面積 約50,000m2
4.処理能力900t/日(ストーカ式、並行流燃焼方式)
5.設備構成焼却炉(300t/日ストーカ式焼却炉×3基)
排ガス処理設備(バグフィルタ、湿式洗煙装置、触媒反応塔ほか)
発電設備(廃熱ボイラ、蒸気タービン、発電機)
灰出し設備、排水処理設備ほか