145,000m3型LNG運搬船「エネルギーアドバンス」の引き渡し(川崎造船)

2005年03月31日


川崎造船は、3月30日に東京エルエヌジータンカー株式会社向けLNG運搬船「エネルギーアドバンス」(当社第1521番船)を引き渡しました。

本船は世界の多くのLNGターミナルへ入港可能なLNG運搬船として当社が開発した145,000m3型LNG運搬船の第4番船です。また、東京エルエヌジータンカー向けとしては2隻目となります。

1.工 程

起工 2004年4月12日
  進水 2004年6月30日
  引き渡し 2005年3月30日


2.主要目

全長 289.53 m
  長さ(垂線間) 277.00 m
  幅(型) 49.00 m
  深さ(型) 27.00 m
  満載喫水(型) 11.404 m
  総トン数 119,233 t
  載貨重量 71,586 t
  貨物タンク容積 145,410 m3 (-163℃、98.5%において)
  主機関 川崎UA-400型蒸気タービン機関×1基
連続最大出力26,900キロワット×80回転/分
  航海速力 約19.5ノット
  定員 43名
  船級 日本海事協会(NK)
  船籍 日本(東京)


3.特 長

1) 本船は、4個のモス型球形独立LNGタンクを持ち、145,410m3の液化天然ガスを輸送するLNG運搬船です。
  2) LNGタンクには当社が独自に開発した川崎パネル方式による防熱システムを採用し、高い防熱効果によりLNGの蒸発率を約0.1%/日としています。
  3) 貨物タンク区画は、二重船殻、二重底構造とし、LNGタンクはその内側に配置されているため、万一の船体損傷時でも直接タンクに損傷がおよばないよう安全に保護されています。
  4) 操舵室は、最先端の電子航海機器を装備し、従来分散配置していた航海機器を集中配置して操作性の向上を図るとともに、全周に窓を配置して360度の視界を確保し、大洋航行中にはワンマン操船が可能となっています。
  5) 荷役関係の監視・制御は、船橋下の居住区前面、貨物積込・揚荷区域の見通しがよい位置に設けた荷役制御室で行います。荷役制御室には川崎重工の技術支援により新規開発した統合制御監視装置(IMCS)が配置され、荷役関係の監視・制御のほか、機関状態監視を行えるようになっています。
本IMCSは、開発時にオペレータの経験、意見を数多く取入れて、特にオペレータの操作性に配慮したシステムとしています。
  6) 気温-25℃、海水温-2℃の寒冷地でも貨物輸送を行えるようにするため、その環境下での機器類の作動などに支障がないよう、対策を講じています。