H-IIAロケット7号機用フェアリングを出荷

2005年01月27日


川崎重工は、H-IIAロケット7号機用フェアリング※1を当社岐阜工場(岐阜県各務原市)での設計・部品製造を経て、播磨工場(兵庫県播磨町)から宇宙航空研究開発機構(JAXA)種子島宇宙センターに向けて、出荷しました。本フェアリングは種子島宇宙センターでH-IIAロケット7号機に組み込まれます。なお、同ロケットは2月24日の打ち上げに向けて準備作業が進められます。

今回出荷したフェアリングは、直径5メートルのシングル・タイプ(5S型)で、この中に大型衛星が1機組み込まれます。また、収容できる衛星の大きさは、米国スペースシャトルや、欧州のアリアンVロケットと同等です。
H-IIAロケット7号機は、運輸多目的衛星新1号(MTSAT-1R※2)を搭載します。当社はフェアリングの開発・製作に加えて、衛星分離部も担当しています。

当社は、1988年にH-IIロケット向けにフェアリングを納入したのを皮切りに、H-IIロケット向けは計7機分、H-IIAロケットにおいても、試験機1号機向け4メートル・シングル・タイプ(4S型)、試験機2号機、3号機、5号機および6号機向け4メートル・デュアル・タイプ(4/4D型)、4号機向け5S型を納入しており、フェアリングメーカーとして、多くの種類のファアリングを開発・製造した豊富な実績を持っています。

当社が開発・製造してきた各種H-IIAロケット用フェアリングは、大型衛星や2基の衛星の同時打上げなど多様な打上げ需要に対応できます。当社は今後もフェアリングの開発・製造を通して、我が国の衛星打上げビジネスに、積極的に貢献していきます。

□H-IIAロケット7号機用フェアリングの概要
5メートル・シングル・タイプ(5S型)
全長 12メートル
直径 5.1メートル
搭載できる衛星 長さ約9.1メートル、直径4.6メートルまでの衛星

※1: フェアリングは、衛星を格納する部分で、ロケット先端部に取り付けられ、打ち上げ時の空力加熱、振動などの過酷な環境から衛星を保護するためのものです。これは大気圏外に達した後に左右に2分割して衛星を分離します。

※2: MTSAT-1R(Multi-functional Transportation Satellite-1 Replacement)は、気象衛星「ひまわり」の後継衛星であるとともに、近年交通量が急増している日米間をはじめとした北太平洋およびアジア太平洋地域の航空路を上空から管制するミッションを備えた、私たちの生活に欠かすことのできない大変身近な衛星です。