安否情報システムを開発

2004年10月28日

川崎重工は、「安否情報システム」を川崎重工グループのベニックソリューション株式会社とイーシステム株式会社およびNTTコムウェア株式会社と共同で開発しました。同システムは、すでに当社と川崎造船、カワサキプレシジョンマシナリほか関係会社7社での導入を完了し、約45,000名の従業員とその家族を対象に常時稼働しています。

今回開発した「安否情報システム」は、地震やテロなどによる大規模災害発生時に社員およびその家族の安否情報を収集する災害発生時の危機管理システムです。同システムでは、社員自らが家族を含めた安否情報を自主的にパソコンや携帯電話からのインターネット回線、通常の電話回線の何れかを利用して登録します。登録された安否情報は、自動的にデータベース化されるので、安否情報の取りまとめや分析に要する時間を大幅に短縮でき、安否確認作業が的確かつ迅速に行え、安否不明者の早急な確認、捜索の実施に寄与します。
また、インターネットからデータベースにアクセスすることで、被災地域外からの安否状況の確認ができ、全社での情報共有化が可能です。

本システムの特長は、以下のとおりです。

災害発生後に本人が正確な情報を迅速に登録することができ、リアルタイムに正確な安否情報を収集できます。
本システムでは、ケガの有無、出社可否、家屋の損壊状況を迅速に把握するほか、避難場所やコメントなどをテキストデータや音声データとして登録でき、各社員の詳細な情報が収集可能です。
パソコン、携帯電話などのウェブ環境、携帯電話、固定電話など電話回線などあらゆる通信手段が利用可能で、災害時に通信インフラが混乱した場合にも対応しやすいシステム構成となっています。
安否情報の登録が完了するまで、システム側から社員に対する安否情報の登録依頼を自動的に繰り返すため、情報収集にかかる時間を短縮することが可能です。
インターネット環境で運用しており、海外出張者や海外駐在員などへの展開も容易です。

当社は、本社機能および生産拠点が神戸市を始めとする関西地域に集中しており、1995年に発生した阪神・淡路大震災では生産設備などを中心に大きな被害を受けました。また、最近では関東直下型地震、東海・東南海・南海など各地域での地震発生が想定されています。
今回の「安否情報システム」の開発は、過去の被災経験を基に今後の災害時の危機管理対策を具現化した取組の一つになります。

当社は、現在同システムを川崎重工グループの国内関係会社など61社に導入する準備を進めており、本年中には80,000人余りの従業員とその家族が利用できる体制を整える予定です。さらに、今後は海外出張者・海外駐在員などにも展開し、災害時の危機管理体制強化を推進していきます。