自社開発ガスタービンコージェネレーションシステムが岐阜工場にて完成

2004年08月05日

川崎重工は、温暖化防止対策と省エネを実現する、自社開発のガスタービンコージェネレーションシステム「PUC60Eco PLUS」を、このほど完成させ、本日、竣工式を行います。

航空宇宙製品を生産する岐阜工場では、従来、主に工場内で使用する蒸気は重油焚ボイラで供給し、電力は電力会社から供給を受けてきました。今回完成したシステムは岐阜工場の全消費電力の約4分の1相当の電力と、年間を通じて必要な最低蒸気量12t/hを供給します。工場内の蒸気・電力供給源の一部を、天然ガスを燃料とする総合エネルギー効率の高いガスタービンコージェネレーションシステムに転換することにより、従来の重油焚ボイラによる蒸気供給と電力会社からの電力供給に比べ、二酸化炭素の排出量を14%(9,800t-CO2減)削減でき、工場全体で7%の省エネ率向上が見込まれます。

本システム導入の目的は、近年地球規模で課題となっている地球温暖化防止のための二酸化炭素排出量の抑制に貢献することにあります。なお導入に際しては十分に環境アセスメントを実施し、さまざまな方面から周辺環境へ配慮しています。

今回導入する「PUC60Eco PLUS」は、当社が自社開発した6,000kW級ガスタービンエンジン「M7A-01」を主機とするコージェネレーションシステムです。本システムでは、蒸気需要が多い冬季は、発生蒸気全量を工場内に供給し、電力需要の多い夏季は、発生蒸気最大7.5t/hをガスタービン本体に注入することで発電量を増加させます。また、排ガスのNOx低減については、水噴射方式と蒸気噴射方式との切り換えができるので、蒸気需要が多い冬季は、NOx低減を水噴射方式で対応します。このように需要に応じて電力と蒸気を、よりフレキシブルに有効利用することが可能です。

当社は全社的環境対策への取組みとして1994年度より3ヵ年毎の「環境保全活動基本計画」を策定し、着実に環境への取組みを推進し、2003年度から開始した第4次計画では環境への対応は経営の重要な一部であることをより明確に位置付け、「環境経営活動基本計画」としました。その中で、二酸化炭素を始めとする温室効果ガス排出量を削減する目標などを掲げており、今回の岐阜工場でのコージェネレーションシステム導入もこれらの取組みの一環となります。

当社は今後も事業活動における環境負荷低減を実現するとともに、循環型社会の形成と推進に、より一層積極的に参加し、環境調和型経営を推進していきます。

□ガスタービンコージェネレーションシステムの概要

1) 種 類:常用ガスタービンコージェネレーション
2) 燃 料:都市ガス13A
3) 発電電力:6,480kW
4) 蒸気発生量:12.6t/h
5) 運転時間:約5,650時間/年