新開発の舶用電子制御ディーゼル機関の採用が決定

2003年10月02日

 

川崎重工は、川崎造船が南通中遠川崎船舶工程有限公司(NACKS)で建造する川崎汽船向け5,000台積自動車専用船3隻向けに、新開発の舶用電子制御ディーゼル機関3台の採用が決定し、本機関の設計・製造を開始します。

今回採用が決定した電子制御ディーゼル機関は、大型舶用主機のベストセラーで、信頼性の高い川崎-MAN B&W MC型ディーゼル機関を電子制御化したものです。本機関は、低燃費でシリンダ潤滑油をセーブした運転が可能で、低回転での安定運転を実現することにより操船性の向上を図るとともに、環境に配慮した製品です。
主な特長は以下のとおりです。

(1) 従来、カム軸、チェーン装置で駆動していた排気弁の開閉、燃料噴射を、高圧油を介して高速の電磁弁で制御します。
(2) 排気弁の開閉、燃料噴射のタイミングを燃費最適モード、低NOxモードなど各種モードを設定して運転中に最適な制御を行います。
(3) シリンダ潤滑油の注入タイミング、量、始動空気の投入などを電子制御します。
なお今回の電子制御ディーゼル機関の採用は、排気ガス中のNOx、煤塵の減少による環境対策として優れていることが高く評価されたものです。


当社は、1919年(大正8年)にディーゼル機関の製作を始め、1929年(昭和4年)にはMAN社(ドイツ)と技術提携しました。その後1981年(昭和56年)にはMAN社とB&W社(デンマーク)の合併を受け、MAN B&W社と新たに技術提携し、これまでに商船用および発電用に数多くの納入実績を有しています。

当社は、舶用機関の環境対策が重要視される中、新開発の電子制御ディーゼル機関を環境対応機器として、今回の採用決定を機に今後積極的に営業展開を図っていきます。

◇電子制御ディーゼル機関の概要
機関名称:川崎-MAN B&W 7S60ME-C
出力:12,500 KW
回転数 :99 rpm
シリンダ直径:600 mm