普及型バイオガスプラントの実証設備事業を開始
2002年07月22日
川崎重工は、現在推進中の新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募した「環境調和型エネルギーコミュニティフィールドテスト事業」において「普及型メタン発酵、コジェネレーション実証設備事業」向けの普及型バイオガスプラントの建設を開始します。本事業で当社は、日本の酪農・畜産農家で深刻化する糞尿処理とこれを原料として発生するバイオガスを利用する、エネルギー有効利用設備の普及をねらった、普及型バイオガスプラントの設計・建設および運転データの採取を行います。 この事業において、当社は北海道上川郡清水町にある一般的規模の個別酪農家(乳牛100~150頭規模)に、1998年にフォルケセンター(デンマーク)から技術導入した「フォルケセンター方式バイオガスプラント」を建設します。当プラントは、メタン発酵槽、ガスホルダー、エネルギー利用設備、消化液貯留槽、その他機器の各ユニットで構成されます。発生したメタンガスはガスエンジンの燃料として利用され、発電された電力および温水は、全量牧場内の施設で使用する予定です。 今回実証設備を設置する清水町は、道内でも気象条件が最も厳しいといわれる北海道十勝地域にあり、バイオガスプラントの安定した運転が極めて難しい地区です。今回の実証設備事業は、このような厳しい環境下でも安定的にバイオガスプラントの運転を行うことで、日本の風土に合った、操業しやすいバイオガスプラントの確立を目指すものです。 今回採用した「フォルケセンター方式バイオガスプラント」は、普及型のバイオガスプラントです。このプラントの特長は、以下のとおりです。
現在、国内では、し尿処理施設での有機エネルギーの回収が義務づけられたのに続き、「家畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律」(1999年11月1日施行)により、2004年11月以降、家畜排せつ物の屋外放置などが禁止されることになっており、家畜排せつ物の適正処理・資源としての利用を目的とする設備の普及が見込まれ、市場の拡大が期待されています。 |