防衛庁に救難飛行艇「US-1A改」用圧縮空気発生装置(BLC装置)を納入

2002年06月06日


 

 川崎重工は、防衛庁に救難飛行艇「US-1A改」用圧縮空気発生装置(BLC装置)を納入しました。

 今回納入した圧縮空気発生装置は、2000年12月に防衛庁から受注したものです。本装置は、圧縮機から発生させた圧縮空気を主翼と尾翼の上面に吹き出すことにより、低速時に発生する翼面空気流の剥離を防ぎ機体揚力を高めます。これにより救難飛行艇に要求される洋上荒波下における低速での離着水を可能にし、救難任務を遂行することができます。

 本装置は、当社が救難飛行艇「US-1A改」用に開発したものが採用されたもので、ターボシャフトエンジンにより圧縮機を駆動させる構造になっており、圧縮機にベベルギアを組み込むことにより圧縮機とエンジンとの配置をT型にしてコンパクトな設計になっています。また駆動源のエンジンには、デジタル自動制御方式の最新鋭のCTS800ターボシャフト エンジン(米国LHTEC社製)を採用しています。

 救難飛行艇「US-1A改」は、現在運用されている救難飛行艇「US-1A」の性能向上を目的として、防衛庁が改造・開発を進めている航空機です。

 当社は、第二次世界大戦中に陸軍航空技術研究所の委託により、ジェットエンジンのルーツとなる「ネ」シリーズの研究試作を実施し、1943年(昭和18年)にわが国初の飛行試験に成功して以来、数多くの防衛庁や民間向け各種航空機エンジンの開発、製造、オーバーホールを実施しています。また、エンジン以外にもヘリコプター用トランスミッションなどの航空機用推進システムの分野においても、豊富な納入実績を有しています。

 今後とも当社は、国内有数の航空機ジェットエンジンメーカーとして、各種航空機エンジンの開発、製造、メンテナンスに注力するとともに、防衛装備の高度化に対応するための研究に積極的に取り組んでいきます。