排出ガス第2次基準値対応の新型ホイールローダ「AUTHENT 97ZV」および「AUTHENT 115ZV」を新発売

2002年03月13日



川崎重工は、国土交通省の「排出ガス第2次基準値」に対応した、新型ホイールローダ「AUTHENT 97ZV」および「AUTHENT 115ZV」を3月18日より新発売します。今回発売する2機種は、バケット容量5.0m3と6.1m3の大型ホイールローダです。

「AUTHENT 97ZV」と「AUTHENT 115ZV」は、主に砕石などのトラックへの積込みを中心とした通常作業に加え、アタッチメントの変更によりログローダ(木材運搬機)として使用できるなど、汎用性が高く多用途に対応できるホイールローダです。

今回新発売する2機種は、稼動状況に応じた最適な燃料噴射をコンピュータ制御によって行う、エアクーラー付電子制御エンジンを搭載しています。これにより、排出ガスに含まれる窒素酸化物(NOx)および粒子状物質(PM)などの排出を大幅に削減し、国土交通省が2003年10月から導入する建設機械の排出ガス規制「排出ガス第2次基準値」をクリアするとともに、従来機(AUTHENT 97ZA、115ZA)比で10~15%の燃費効率の向上を実現しています。

また、この2機種は従来機の冷却ファンをエンジン直接駆動型から、油圧モータ駆動型(※1)に変更し、冷却ファンの回転数を独自に制御します。これにより、冷却ファンを大径化するとともに低回転化することで、省エネ性能が向上するとともに、エンジンからの騒音を大幅に削減でき、欧州の厳しい騒音規制(EN騒音指令)もクリアしています。

さらに、「AUTHENT 97ZV」および「AUTHENT 115ZV」は、従来機のコンセプトをベースに改良を加え、以下の特長を有しています。

□作業性
ハイパワーと低燃費を両立した電子制御エンジンを採用し、作業性を向上。また、「AUTHENT 97ZV」は、エンジン排気量も1,000ccアップし、余裕のある出力で作業できます。
エンジン自動暖気機能の採用で暖気時間を短縮。寒冷時にも短時間のスタンバイで作業が開始できます。
□居住性・操作性
ワイドキャビン(運転室)の採用で、室内空間を従来機比で約20%拡大。また、ホイールローダ初のフルオートエアコンを標準装備し、居住性を向上しています。
オペレータの体型に合った運転姿勢の調整が可能なテレスコピック・チルト機能付ステアリングと良好な視界を確保するピラーレスの大型平面ガラスを採用し、高い操作性を実現しています。
□メンテナンス性
エンジンの故障を市販のパソコンと専用ソフトで診断できる「故障診断機能(※2)」を採用しています。
ラジエータ清掃用ドアを採用し、ラジエータ周辺の整備性を向上。また、プロペラシャフトやヒンジピンの給脂期間(メンテナンス期間)を大幅に延長しています。
□安全性
当社独自の機械式ピストンストローク自動調整機構(※3)を採用。どんな状況でも安定した制動力を発揮します。

※1:油圧モータ駆動型冷却ファンは、油圧モータを動力源として駆動するため、冷却水温に応じてファン回転数を制御している。
※2: 故障診断機能は、故障履歴を記憶し、パソコンの接続により故障発生時のエンジン状態を確認できるため、故障診断が容易にできる。
※3: 機械式ピストンストローク自動調整機構は、湿式ブレーキのピストンストロークを機械的に一定に保つ機構。本機構は、油圧バルブなど複雑な部品を必要としないため、信頼性が高い。