H-IIAロケット試験機1号機用フェアリングを出荷
2001年07月16日
川崎重工は、H-IIAロケット試験機1号機用衛星フェアリングを宇宙開発事業団(NASDA)の種子島宇宙センターに向けて、当社岐阜工場(岐阜県各務原市)での部品製造を経て当社播磨工場(兵庫県播磨町)から出荷しました。今回出荷したフェアリングを搭載したH-IIAロケット試験機1号機は、8月25日に種子島宇宙センターから打ち上げられる予定です。
今回当社が出荷したフェアリングは、4メートル・シングル・タイプ(4S型)です。このフェアリングは、全長12m、直径4.1mのもので、長さ10.2m、直径3.7mまでの衛星を搭載することができます。H-IIAロケット試験機1号機では、性能確認用ペイロード(VEP-2)※1とレーザ測距装置(LRE)※2を搭載し、高度140kmでフェアリングが分離し、その後レーザ測距装置が高度約1,800kmで放出される予定です。
当社は、1988年にH-II向けフェアリングI型を受注し、プロトタイプモデルの開発・製造および試験に成功して以来、実機向けとしてH-II1号機から6号機、8号機向けフェアリングを納入した実績を持ちます。また、4S型をはじめ5メートル・シングル・タイプ(5S型)、同時に2個の衛星を格納できる4メートル・デュアル・タイプ(4/4D型)および5メートル・デュアル・タイプ(5/4D型)と4種類のフェアリング全てを開発・製造した豊富な実績を持っています。今後とも当社は、宇宙開発関連事業に積極的に取り組んでいきます。
※1 | VEP-2(Vehicle Evaluation Payload-2)は、加速度センサー、温度センサーが計測した打上げ時の振動、温度をドップラー信号で送信し、その信号の変位を計測することでロケットの投入された軌道がどの程度計画と一致しているかを確認する。 |
※2 | LRE(Laser Ranging Equipment)は、地上からのレーザ光線を反射する126個のコーナー・キューブ・リフレクターと24枚の鏡を表面全体に持ち、レーザ光の反射を測定することで距離を算出し投入軌道を測定する。 |