次世代飛行制御システムを実証した川崎BK117ヘリコプターを「かかみがはら航空宇宙博物館」に寄贈

2001年05月14日

川崎重工は、GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)とFBW(Fly-By-Wire)方式操縦システムを発展・融合した次世代飛行制御システムを実証した川崎BK117ヘリコプターを「かかみがはら航空宇宙博物館」(岐阜県各務原市)に寄贈しました。

今回当社が寄贈した機体は、当社とメッサーシュミット・ベルコウ・ブロウム社(現ユーロコプター・ドイツ社)が共同開発・製造した国産ヘリコプター「川崎BK117ヘリコプター」の、開発当時のプロトタイプ機です。この機体は、BK117の量産開始後、世界に先駆けた飛行安全性や快適性の向上などにかかわる装置の開発やヘリコプターの各種システムの実証・試験機などとして活用してきました。このほど当社と(株)コミュータヘリコプタ先進技術研究所(代表者:大庭 浩、基盤技術研究促進センターほか民間5社による出資、以下ATIC)とが共同で研究開発した次世代飛行制御技術の実証試験を最後に現役を引退することになりました。

本機の各種飛行システム実証機としての主な実績は、以下のとおりです。

コンピュータの導入で操縦を簡単かつ確実に行えるFBW方式操縦システムを用いた飛行試験を実施(1992年7月~1993年3月)。パイロットの操縦負担を大幅に軽減できる同方式の実用性を国内で初めて確認。
FBW方式操縦システムに、GPSを発展・融合したヘリコプターの次世代飛行制御システムの実証飛行を約150回実施(1999年9月~2000年11月)。実証飛行の内容は、
(1)あらかじめインプットされたルートをパイロットが操縦することなく自動誘導にて飛行する、
(2)パイロットの視界が無い状態で計器飛行(手動飛行)するというもので、世界で初めて騒音低減の為の急角度進入と垂直離着陸方式によるビル屋上ヘリポート等への着陸を自動化した画期的なもの。


当社は、これまでも「かかみがはら航空宇宙博物館」に川崎BK117をはじめとする各種機体の展示およびイベントに協力しています。今後も当社は先進の航空宇宙技術の開発を積極的に行うとともに、博物館活動への協力等を通じて航空宇宙産業への理解を広める活動に貢献していきます。