LPG焚き二元燃料舶用エンジン(ME‐LGIP)初号機が完成

2020年12月15日

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「川崎‐MAN B&W 7S60MEC10.5LGIP

川崎重工は、坂出工場で建造中のKumiai NavigationPte Ltd(シンガポール)向け大型LPG1運搬船に搭載される、LPG焚き二元燃料舶用エンジン「川崎‐MAN B&W 7S60MEC10.5LGIP」を完成させました。本件は、MAN BW S60LPG焚きエンジンとして世界初の新規生産となります。

本エンジンは、LPGと重油の双方に対応する二元燃料エンジンです。また、燃料消費率の低減とNOx3次規制対応を同時に達成する「K-ECOS Lite※2」を搭載しています。LPG燃料使用時に、従来型の重油焚き2サイクルディーゼルエンジンと比べて、硫黄酸化物(SOx)の排出量を90%以上削減するだけでなく、二酸化炭素(CO2)や窒素酸化物(NOx)の排出量も大きく抑えることが可能です。

海上輸送では、国際海事機関(IMO)により欧米をはじめ全世界的にSOxNOxCO2などに厳しい排出規制が適用されており、その中で、LPG燃料はLNG燃料と同様にクリーンな燃料として注目を集めています。当社は、排出規制をクリアする次世代の舶用エンジンのひとつとして、「川崎‐MAN BW ME-LGIP」型エンジンを積極的に販売、製造していきます。

【「川崎‐MAN B&W 7S60MEC10.5LGIP」の概要】

出力

12,850 kW

回転数 84 r/min
シリンダ径 60 ㎝
シリンダ数 7

※1 LPG(Liquefied Petroleum gas):液化石油ガス(プロパン・ブタンまたはその混合ガスを液化したもの)
※2 K-ECOS(Kawasaki-ECO System)Lite:排気再循環(EGR)、過給機カットシステム、廃水処理システムを構成要素とし、IMO NOx 3次規制をクリアするとともに低燃費・低ランニングコストを実現する複合低環境負荷システム

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