浮体式LNG発電プラントの基本承認を取得
2019年06月07日
浮体式LNG発電プラントイメージ図 |
AiP授与式の様子 |
川崎重工は、高効率の自社製発電設備を浮体に搭載した浮体式LNG(液化天然ガス)発電プラントを開発し、DNV GL※1からガスエンジンモデルにおいて、 最新の2018年版「Gas Power Plant」規則に基づいた設計基本承認※2を取得しました。
浮体式LNG発電プラントは、LNG燃料タンク、LNG気化装置、発電設備、受変電設備の全てを浮体に搭載した統合型システムで、海上や河川を曳航し、設置場所に係留しながら浮体上で発電することによって、陸上の送電網に電力を供給します。
電力需要の伸びが著しい東南アジア諸国をはじめとした島嶼地域などの安定電源確保に課題を抱える地域や、陸上の発電所建設用地が不足するなどの地理的条件に課題を持つ地域での需要が見込まれています。
また、燃料となるLNGは、重油に比べて発電コストにおいても優位性があり、さらに石炭や重油に比べて温暖化ガスの排出が少なく、環境にやさしい燃料として需給規模と用途の拡大が期待されています。
川崎重工の浮体式LNG発電プラントの特長は次のとおりです。
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当社は、1981年にアジア初のLNG運搬船を建造以来、大型LNG運搬船・LNG燃料船などの各種LNG関連船を40隻以上建造し、国内初のLNGバンカリング船を受注するなど豊富な知識と経験によりLNG関連の技術をリードしてきました。また、発電プラント分野においても、中核設備である、ガスエンジン、ガスタービン、蒸気タービン、排熱回収ボイラ(HRSG:Heat Recovery Steam Generator)を自社で開発・設計・製作する能力を有するとともに、国内外での豊富なプラントエンジニアリング経験により、LNGバンカリング船やLNG二次基地向けのタンクなどの設備を含むパッケージ対応も可能です。
当社は今後とも、LNG関連の技術シナジーを活かし、グローバルにエネルギー事業を展開していきます。
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□浮体式LNG発電プラントの諸元
モデル名 | Gas Engine ※DNV GLからAiP取得 |
CCPP (Combined Cycle Power Plant) ※DNV GLにAiP申請中 |
発電システム構成 | ガスエンジン 4基 | ガスタービンコンバインドサイクル (ガスタービン2基、排熱回収ボイラ2基、蒸気タービン1基) |
発電出力 | 30MW | 80MW |
浮体サイズ | L120m × W36m × D6.5m | L110m × W48m × D20m |
LNGタンク | 3,500m3 x 2基 | 5,500m3 x 2基 |