大型民間航空機用エンジン「Trentシリーズ」向け中圧圧縮機モジュールの納入累計1,000台を達成

2018年03月19日

 

C3180319-1.jpg C3180319-2.jpg
「Trent XWB」エンジン
 (ロールス・ロイス社提供) 
「Trent XWB」エンジン向け IPCモジュール 

 

川崎重工は、ロールス・ロイス社(英国)の大型民間航空機用ターボファンエンジン「Trentシリーズ」向け中圧圧縮機モジュール(以下、IPCモジュール※1)の納入累計1,000台を達成しました。

IPCモジュールは、エンジンを構成する主要8モジュールの1つで、ファンから送り込まれた空気を昇圧して高圧圧縮機に送り込む機能を有しています。8段のチタン合金製ディスクを溶接したドラムにブレードを取り付けたローター、内側にベーンを取り付けたケース、フロントベアリング支持構造などで構成されており、その部品点数は約4,000点にも及びます。

当社は、2006年よりIPCモジュールを西神工場(兵庫県神戸市)で製造しており、KPS(カワサキ・プロダクション・システム)※2生産方式のもと、自社製のロボットやIoTの適用により高い品質を保つとともに、生産効率の改善に努めています。

当社とロールス・ロイス社は、1959年に航空機用エンジン「オリフュース」のオーバーホールに関する技術提携契約を締結して以来、航空機用エンジン分野を中心に緊密な協力関係を築いています。1988年には、「RB211-524」エンジンの開発・生産プログラムにおいて、「リスク&レベニュー シェアリング パートナー(RRSP)」※3方式で参画し、タービンケース、タービンディスク、タービンノズルを担当しました。その後「Trent1000」エンジンでは従来の部品の分担製造ではなく、モジュールサプライヤーとしてIPCモジュールの設計・製造を担当、以降の「Trentシリーズ」のIPCモジュールは、当社が世界で唯一担当しています。

 

□当社がIPCモジュールを製造するエンジンの概要

エンジン 搭載機体 参画年
Trent1000 ボーイング787―8(-9) 2004年
TrentXWB-84  エアバスA350XWB  2009年 
Trent1000TEN  ボーイング787  2013年 
TrentXWB-97  エアバスA350XWB―1000  2013年 
Trent7000  エアバスA330neo  2015年 

 

今後とも当社は、航空機用エンジン開発技術力の高度化、生産基盤の強化を進めるとともに、航空機用エンジンの共同開発・生産プログラムへ積極的に参画するなど、航空機用エンジン事業の発展に注力していきます。

 

※1 

IPC(中圧圧縮機):
Intermediate Pressure Compressor

※2 

KPS(カワサキ・プロダクション・システム):
Just in Timeを基本理念に当社の各生産ラインにおける適用を通じて開発・実証された当社独自の合理的な生産管理技法で、量産・個別生産を問わずあらゆる生産ラインに展開が可能なシステム。 

※3 

RRSP(リスク&レベニュー シェアリング パートナー):
エンジンや補用部品の販売・修理事業などのあらゆる収入をプログラムシェアに応じて配分を受ける権利がある一方、開発・量産・販売に関する全ての費用とリスクをプログラムシェアに応じて負担する契約方式。