省エネルギー型二酸化炭素分離・回収システムの実用化試験を関西電力舞鶴発電所で実施
2017年09月19日
公益財団法人地球環境産業技術研究機構(本部:京都府木津川市、理事長 茅陽一、以下、RITE)、川崎重工業株式会社(本社:神戸市中央区、代表取締役社長 金花芳則、以下、川崎重工)、関西電力株式会社(本社:大阪市北区、取締役社長 岩根茂樹、以下、関西電力)は、このたび、経済産業省の「CO2分離回収技術の研究開発事業」に参画し、省エネルギー型二酸化炭素分離・回収システムの実用化試験を関西電力舞鶴発電所内で実施します。
火力発電所などから排出される排ガス中の二酸化炭素の分離・回収は、これからの低炭素社会を実現する上で非常に重要な技術であると期待されていますが、分離・回収時のエネルギー消費量低減が課題となっています。
RITEおよび川崎重工はこの課題を解決するために、これまで「省エネルギー型二酸化炭素分離・回収システム」の研究開発に取り組んでおり※1、CO2用固体吸収材やKCC(Kawasaki CO2 Capture)移動層システムを新たに開発しました。これにより、未利用エネルギーである低温排熱を用いたCO2の分離・回収が可能になったことで、従来の方式と比べて、大幅な省エネルギー化を実現しました。
関西電力は平成28年度から本事業へ参画し、試験地点の検討を行ってきましたが、このたび、関西電力舞鶴発電所内に、国内初となる固体吸収材を用いた40トン―CO2/日規模の実用化試験設備を設置することとなり、平成31年度以降に実用化試験を実施する予定です。
本事業を通じて確立される二酸化炭素の分離・回収技術は、地球温暖化防止に関するパリ協定※2が目指す温室効果ガスの削減を、従来活用していた技術よりも省エネルギーで実現できるため、CO2削減に係るエネルギー負担およびCO2分離・回収コストの低減※3に繋がり、経済性と環境保全の両立に寄与するものです。
RITE、川崎重工および関西電力は、「省エネルギー型二酸化炭素分離・回収システム」の技術開発を通じて、温室効果ガス排出量削減による低炭素社会の実現に貢献してまいります。
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※1: |
経済産業省の「二酸化炭素回収技術実用化研究事業」(平成27~28年度)の採択を受け実施 |
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※2: |
パリ協定の長期目標(平成28年11月発効) |
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※3: |
次世代火力発電に係る技術ロードマップ等を踏まえ、2,000円/トン―CO2を目指す |