177,000m型LNG運搬船2隻を受注

2015年09月09日

川崎重工は、中部電力株式会社と日本郵船株式会社が折半出資するTrans Pacific Shipping7 Limited(トランス・パシフィック・シッピング7 リミテッド)および中部電力株式会社と株式会社商船三井が折半出資するTrans Pacific Shipping 8 Ltd.(トランス・パシフィック・シッピング8 リミテッド)と177,000m型LNG運搬船各1隻の造船契約を締結しました。本船は、いずれも坂出工場で建造し、2018年の引き渡し後に中部電力が主に米国フリーポートより調達するLNGの輸送に投入される予定です。

今回受注したLNG運搬船は、当社が北米シェールガスプロジェクト向けに開発した177,000mのカーゴタンク容積を持つモス型LNG運搬船です。本船は、世界の主要なLNGターミナルへ入港可能な船体寸法および2016年に完成予定の新パナマ運河を通峡可能な型幅を有しています。
また、本船は船体構造およびカーゴタンク形状を改良し、従来型の164,700m型LNG運搬船よりカーゴタンク容積を約12,300m増加させ、汎用性の高い大型船型として、LNGトレードの多様化に対応します。さらに、船体構造の最適化による船体重量の軽量化や、2軸推進方式の採用と船体形状最適化を図ることで、推進性能を最大限に高めるとともに、DFD電気推進システムを採用することにより、低速域から高速域の幅広い船速域で優れた燃費性能を発揮します。

本船の主要目は以下の通りです。

<主要目>


全長
約300m

型幅
48.90m

タンク容積
177,000m

速力
19.5knot

当社は、今後とも、クリーンエネルギーとして需要増加が予想されるLNGをはじめとする各種ガス運搬船の建造に積極的に取り組んでいきます。 

※   DFD電気推進システム
DFDとは、Dual Fuel Diesel(2元燃料ディーゼル)の略で、通常の発電機エンジンは燃料として油しか焚けませんが、このエンジンは油とガスの両方を焚くことができます。推進システムは、4台の発電機エンジンと2台の可変速の推進モータ等で構成されています。ガスあるいは油を燃料としてエンジンに供給し、発生した電力で推進モータを回しこの動力をプロペラへ伝えます。