韓国・大田市向け内部循環流動床ボイラを受注

2015年07月09日

川崎重工は、韓国のエンジニアリング会社であるGS Engineering & Construction社(韓国・ソウル市)より、同国大田市向けにRDF(Refuse Derived Fuel)を燃料とする内部循環流動床ボイラ1缶を受注しました。

今回受注した内部循環流動床ボイラは、大田市が廃棄物の有効利用を目的として新設予定の廃棄物利用エネルギー施設に組み込まれるもので、毎時約50トンの高温・高圧蒸気を発生させ、発電や熱供給に使用されます。なお、本施設は2017年中に運転を開始する予定です。

当社の内部循環流動床ボイラは、腐食性物質や環境汚染物質を含むごみや廃プラスチックを原料とする固形燃料のほか、様々な廃棄物やスラッジなどを燃料にすることができます。本ボイラは、流動床部を燃焼セルと収熱セルに分け、流動空気の速度差により流動媒体を燃焼セルから収熱セルに循環することを特長としています。これにより燃焼ガスと流動媒体の流れが分けられ、収熱セルに設置した伝熱管により層温度を制御するとともに、塩素等の腐食性ガスによる伝熱管の腐食を防ぐことで、高効率・高信頼性を実現しています。

今回の受注は、2014年12月の全州製紙(韓国・全州市)向けに続くもので、韓国で3件目となります。当社はこれまでにも国内向け2缶、韓国向け1缶の内部循環流動床ボイラを納入しており、高度な技術力や信頼性に基づく運転実績、契約遂行能力が高く評価されたものです。

韓国政府はバイオマスや廃棄物を含む新・再生可能エネルギーの開発や利用の促進を目的として、2012年に「新・再生可能エネルギー義務割当制(RPS:Renewables Portfolio Standard)」を導入しています。同制度では販売電力が一定量を超える電力事業者に対して、その総発電量の一定割合に相当する新・再生可能エネルギーの供給を義務付けており、バイオマスや廃棄物を高効率かつ安定的に燃焼できるボイラの需要増加が期待されます。
また、現在、世界的なエネルギー需要の増加に伴い、廃棄物発電が注目されており、今後も同種ボイラの発注が見込まれています。当社は今後も国内外を問わず内部循環流動床ボイラの営業展開を推進していきます。

 

 

【燃焼室の構造】

C3150709-1.jpg