中国で環境配慮型ごみガス化システム「CKKシステム」4機を連続受注
2014年05月28日
川崎重工と中国海螺グループ(以下、CONCHグループ※)との合弁会社である安徽海螺川崎工程有限公司(以下、ACK)は、中国において、当社とCONCHグループが共同開発した環境配慮型ごみガス化システム「CKKシステム(CONCH Kawasaki Kiln System)」4機を連続受注しました。
今回受注した「CKKシステム」は、中国甘粛省向け、重慶市向け、福建省向け、貴州省向けの計4機で、2014年8月より順次納入する予定です。
CKKシステムは、既存のセメントプラントにごみ焼却炉を併設することにより、セメント生産工程とごみ処理工程を一体化させ、ごみの無害化・減量化・再資源化を図る世界初のシステムです。本システムは、ごみや下水汚泥をガス化し、そこで得られる熱エネルギーをセメント生産工程で有効利用することにより、同工程で使用される石炭などの化石燃料およびCO2排出量を削減することができます。ごみ・下水汚泥をガス化した後の灰などはセメントの原料として再利用できるため、従来のごみ焼却処理に必要な焼却灰の最終処分が不要で、完全なゼロエミッションを実現します。また、ごみ処理の際に発生するダイオキシン等の有害物は、セメント焼成工程において無害化されるため、有害物処理専用の設備を必要としません。さらに、CKKシステムは既存のセメントプラントにごみ焼却のガス化炉を併設するだけでよいため、新規にごみ焼却処理施設を建設する場合に比べて、初期費用を抑えることが可能です。
現在、CONCHグループ傘下で中国最大手のセメントメーカーである安徽海螺水泥股份有限公司(CONCHセメント)の安徽省銅陵市の工場では、CKK1号機(ごみ処理量300トン/日)が順調に稼動しており、人口約30万人の銅陵市で発生する一般家庭ごみのほぼ全量を処理しています。
中国や東南アジアをはじめとする新興国では、都市化の進展に伴い増加する都市廃棄物の処理が喫緊の課題となっており、CKKシステムも活発な引き合いを受けています。特に中国では、2013年10月に発令された国務院通達において、既設セメントプラントの10%以上でごみ処理が義務付けられたことから、今後もCKKシステムの需要拡大が見込まれています。
当社は、CONCHグループとの合弁事業として、ACKをはじめとする合弁3社を設立し、新興国における環境・省エネルギー事業を積極的に展開しています。CKKシステムは、当社が長年磨きあげてきたごみ処理技術およびセメントプラント技術と、CONCHグループのセメントプラントにおける運転ノウハウを融合させることにより実現した画期的な環境・省エネルギーシステムです。
当社およびACKは、今後も環境・省エネ製品を開発・普及させることに努め、地球環境に貢献していきます。
※ CONCHグループ : |
中国最大手で世界有数のセメントメーカーであるCONCHセメントを傘下に持ち、セメントや建材、貿易等の事業を展開している企業集団。 |
□ 今回受注したCKKシステムの概要
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□ ACKの概要
(1) 会社名 |
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安徽海螺川崎工程有限公司 |
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(2) 本店所在地 |
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中国安徽省蕪湖市 |
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(3) 代表者 |
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何 承発 |
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(4) 設立年月日 |
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2006年12月13日 |
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(5) 資本金 |
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1億人民元(川崎重工49%、安徽海螺グループ51%) |
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(6) 事業内容 |
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排熱発電設備、セメント製造設備及びその他省エネルギー・環境対策設備の設計、土建・据付及び構成機器の設計、開発、調達、販売及び技術サービス |
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