ボーイング787派生型機向け新工場を建設

2013年12月09日

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 名古屋新工場(完成予想図)

 

川崎重工は、航空機製品の生産・組立工場である名古屋第一工場において、ボーイング787を増産するため、本日より工場建設に着手します。

名古屋第一工場南工場の東側隣接地に建設する新工場は、延床面積約60,000mで、2014年度末竣工の予定です。当社は、ボーイング787の生産において前部胴体、主脚格納部、主翼固定後縁を担当しており、新工場では既設工場と同種の生産設備を追加導入し、主として派生型機の前部胴体を生産します。

ボーイング社はボーイング787について、現在生産する「787-8型」(210~250席クラス)、「787-9型」(250~290席クラス)に加え、本年6月に派生型機「787-10型」(300~330席クラス)を新たに787ファミリーに加えることを発表し、開発を進めています。ボーイング787の生産では、当社が担当する胴体構造部位において、世界初の全複合材製の一体成形胴体を採用するなど、革新的な生産技術を多数導入しています。

当社は、ボーイング787向け製品の工場(名古屋第一工場北工場)を2006年7月に、また増産用工場(同南工場)を2010年3月に竣工して生産を進めています。このたびの新工場建設は、さらなる増産および「787-10型」の生産開始に向け、生産能力の増強を行うものです。

現在、ボーイング787は世界各国で運航されており、各型合わせた受注機数は1,000機を超えています。当社は、2007年度初めに「787-8型」の前部胴体を初出荷し、その後も順調に生産を継続しています。当社はボーイング787の生産能力を増強するとともに、高品質の製品提供を通じて本プロジェクトに貢献し、さらには民間航空機事業の拡大を目指していきます。

なお、新工場の概要は以下のとおりです。

 □新工場の概要

 
1.
所在地:愛知県弥富市楠3丁目20-8
 
2.
建物延床面積:約60,000m(全長250m、幅194m、高さ21m)
 
3.
主要設備:
   
(1)
世界最大級(直径9m)の複合材硬化用オートクレーブ
   
(2)
胴体を一体成形(積層)するプリプレグ自動積層機
   
(3)
胴体を一体加工(孔明け・ファスナー取付)するパネルリベッター
   
(4)
胴体を一体加工(孔明け・トリム)するトリム・ドリル装置
   
(5)
大型NDI(超音波非破壊試験装置)