南極向け風力発電装置を受注(日本飛行機)
2011年05月17日
2009年3月に納入した運用試験用20kW縦軸型風車(仁賀保高原)
川崎重工グループの日本飛行機は、大学共同利用機関法人情報・システム研究機構 国立極地研究所(以下 極地研)が南極に設置する20kW級風力発電装置を受注しました。
この風力発電装置は今年9月末に納入し、南極観測船「しらせ」で11月に南極昭和基地に運ばれた後、第53次南極観測隊によって設置・運用されます。
南極昭和基地では、現在、「再生可能エネルギー活用と環境保全対策」を推進中で、今回、この一環として風力エネルギーを利用した風力発電装置を設置し、ディーゼル主発電機系統との連系運転を行う計画です。
これまで、極地研では、昭和基地での風力発電設備設置に向けて、風速条件が南極昭和基地と類似している秋田県にかほ市仁賀保高原に風力発電装置を設置し、運用試験を行ってきました。日本飛行機は、同試験用の風力発電設備を2009年3月に納入しており、今回は2台目の受注となります。先に納入した風力発電装置は、仁賀保高原で2009年4月以降、約2年間の試験を行い、累計1万時間以上の運転時間を積み重ね現在も稼動中です。
縦軸型風車は、日本飛行機が航空機メーカーとして培った設計製造技術を生かして独自に開発した小型の風力発電装置で、オフィスビルなどの屋上や工場敷地などに設置するのに適した多くの特長を有しており、5kW、10kW、20kWの3タイプがあります。今回受注したのは、このうち20kWタイプに寒冷地向けの特別仕様を加えたモデルです。
今後とも川崎重工グループは、再生可能なエネルギーの有効利用を促進する技術開発や製品の拡販を通じて、温室効果ガス排出量削減や資源の有効利用による循環型社会構築に貢献していきます。
□縦軸型風力発電装置3タイプの諸元
型式 |
NWT B-5 |
NWT A-10 |
NWT A-20(※) |
|
定格最大出力 |
kW |
5 |
10 |
20 |
全高 |
m |
6.0 |
9.3 |
13 |
全幅 |
m |
4.5 |
4.8 |
6.5 |
ローター径 |
m |
4.5 |
4.5 |
6.3 |
ブレード長さ |
m |
3.4 |
4.5 |
6.3 |
ブレード枚数 |
3 |
3 |
3 |
|
カットイン風速 |
m/s |
4 |
4.5 |
4.5 |
定格風速 |
m/s |
13 |
15 |
15 |
カットアウト風速 |
m/s |
19.5 |
22.5 |
22.5 |
ローター回転数 |
min-1 |
130 |
150 |
115 |
耐風速 |
m/s |
80 |
80 |
80 |
制動方式 |
空気圧駆動ディスクブレーキ |
空気圧駆動ディスクブレーキ |
空気圧駆動ディスクブレーキ |
|
出力電圧(3相交流) |
V |
200/220 |
200/220 |
200/220 |
※ 今回受注したタイプです。