スーパーバイク世界選手権でカワサキが5年連続マニュファクチャラーズタイトルを獲得

2019年10月28日

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川崎重工のファクトリーレースチームである「カワサキレーシングチーム」からスーパーバイク世界選手権にNinja ZX-10RRで参戦しているジョナサン・レイ選手が、1025日にロサイル・インターナショナル・サーキット(カタール)で行われた第1レースで勝利し、カワサキが2019年シーズンのマニュファクチャラーズタイトルを獲得しました。日本メーカーが5年連続でマニュファクチャラーズタイトルを獲得することは、史上初めての快挙です。

シリーズ序盤は、ライバルに先行されたものの、カワサキが表彰台を独占した第7戦ミサノサーキット(イタリア)をはじめとした中盤から盛り返しやスーパーバイク世界選手権史上初の5連覇を成し遂げたジョナサン・レイ選手の活躍により、シリーズ最終戦でマニュファクチャラーズタイトルを獲得しました。

カワサキを応援してくださった皆様、ありがとうございました。

■選手、スタッフのコメント

【ジョナサン・レイ(ライダー)】

「今シーズン17勝を挙げて、1ラウンド3勝を2ドニントンとカタール を達成できました。これは本当に特別なことです。正直に言って、シーズン序盤であれほど負けが続くとは思っていなかったので、本当に嬉しいですし、満足しています。中盤でさえ、チャンピオンシップを勝ち取るためには最後の2レースに向けて差をつけておく必要があると思っていました。けれど、考えていたようにはなりませんでした。 バイクのパッケージにも本当に満足しています。チャンピオンシップで最長のストレートを有し、最速のサーキットでもある最後の2レースで、勝利のために必要なものは速いエンジンだけではないということを証明できたんですから。自分のチームをとても誇りに思っています。今週末は、レース1からスーパーポール、そしてレース2へかけて、ベースのセットアップを何度も変更しました。私たちのやったことを話しても、きっと信じてもらえないでしょう。バイクをひっくり返すと、毎回その度にポジティブな面とネガティブな面が出たんです。なので今回の結果から見て、我々のバイクが好機で力を発揮したということでしょう」

【レオン・ハスラム(ライダー)】

「最終レースの中盤までは苦戦が続きました。フロントのトラクションがなかったせいでバイクを止めるのが難しくて、フロントが滑りっぱなしだったんです。スロットルを閉めるときではなく、開けるときにそうした挙動が出てしまって、そうなると正直なところ、コーナーではつま先立ちで走っているような感覚でした。そんな中でバトルになると、自分はたしかにその場にいるのに、バトルするどころではなくなってしまうんです。今シーズンはアップダウンがあって、自分のスタイルをこのバイクが必要とするかたちに合わせるのが大変でした。バイクを止めること、バトルすることが難しかったんですが、いつもならこれは自分の強みの一つだったんです。とはいえ、オーストラリアやミサノ、アラゴンでは、ジョニー (ジョナサン・レイ)とポジティブなレース、良いバトルもできました。鈴鹿で優勝を掴めたのは素晴らしかった。今年は最後の3戦で良いバトルができました」

【依田一郎(カワサキレーシングチーム(KRT)シニアエンジニア)】

「今シーズンの始まりを思い返すと、ライバルたちは順調なスタートを切っていました。

なので、今年は我々にとって非常に難しいシーズンになるかもしれない、これまでのシーズンとはまた違った課題に直面することになるかもしれないと思っていたんです。ただ、欧州ラウンドに移って以降は、我々は終盤に向けてより強くなっていくだろうと予測していました。優秀なライダーたちとエンジン、そしてバイクが一つになって最後には目標を達成することができたんですから、予測は合っていましたね」

■「Ninja ZX-10RR」の概要

Ninja ZX-10RR」は、レーサーレプリカと呼ばれる最尖鋭のカテゴリに属するモデルで、スーパーバイクでの勝利を目的として開発された。一切の贅肉をそぎ落としたスパルタンなデザインが魅力。

Ninja ZX-10R」シリーズは、カワサキグループ全体で本モデルを含めて全4車種、「Ninja ZX-10R ABS Ninja ZX-10R」「Ninja ZX-10RR」「Ninja ZX-10R SE」をラインナップ。

※スーパーバイク世界選手権:FIM(国際モーターサイクリズム連盟)公認の市販車最高峰のロードレースで、ヨーロッパを中心に世界を転戦する。車両規格は、公道走行用の市販車で、4ストローク2気筒1200cm³以下、34気筒1000cm³以下のエンジンを搭載したマシンであることが条件。マシンの改造範囲は制限されており、市販車に近い仕様でレースが行われることから、ベースとなるマシン本来の性能が証明される場として世界的に高い人気を誇っている。